2007年08月29日

ザ・レジェンダリー OKEH & EPIC レコーディングス/アーマッド・ジャマル


ザ・レジェンダリー・Okeh&Epic・レコーディングス
THE LEGENDARY OKEH & EPIC RECORDINGS

アーマッド・ジャマル(p)
レイ・クロフォード(g)
エディ・カルホーン(b)
イスラエル・クロスビー(b)

1951〜55年録音


 カクテル・ピアニストという言葉がある。

 カクテルを飲みながらついでに聴く(ような)軽いピアニスト、という意味で、まあ、悪口だ。アーマッド・ジャマルは時々そう呼ばれたらしい。
 ライナーノーツを読んだら、マイルス・デイビスが、ジャマルが「カクテル・ピアニスト」と呼ばれることにムキになって反論する話が出てきて面白い。つまり、ジャマルの音楽性はカクテルを飲みながら聞き流すようなしろものじゃない、ということを言いたいらしい。


 で、僭越ながらぼくの意見は。



 カクテル・ピアニストのどこが悪い。



 それを言うなら、ビル・エバンスだってカクテル・ピアニストだ。ド名盤「ワルツ・フォー・デビィ」では、明らかに客はメシ食いながら聞き流してるぞ。


 人生のある局面やシチュエーションが、特定の音楽と分かちがたく結びつくことがよくある。何年、何十年たっても、その音楽を耳にすると、そのときの空気の匂いや光の感じや相手の声を、ざわめき立つように想い出す。そういうタイプの音楽がある。

 アーマッド・ジャマルの音楽は、きっとたくさんの想い出と結びついている。その人が、アーマッド・ジャマルの名前を覚えていようといまいと。



 で、本人は、

 ぼく、ただのピアノ弾きだよーん

 とか思っていたんじゃないか、という気がしてならない。


Img_5923_1.jpg


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2007年08月28日

サイドワインダー/リー・モーガン


ザ・サイドワインダー+1
THE SIDEWINDER

リー・モーガン(tp)
ジョー・ヘンダーソン(ts)
バリー・ハリス(p)
ボブ・クランショウ(b)
ビリー・ヒギンズ(ds)

1963年録音



 こんな優しい音を出すひとだとは思わなかった。


 10代でクリフォード・ブラウンの再来と呼ばれ、ジャズ・ロックの分野で名をあげた人だし、演奏の合間に愛人に撃たれるという壮絶な死に方だし、なんとなくもっとぎらぎらした、才走ったラッパを吹く人だと思っていたのだ。
 どっちかというと、相棒のジョー・ヘンダーソンのテナーがそんな感じだ。


 もちろん、若くて元気でばりばり吹いているのだけれど、不思議とひとを押しのける感じがしないのだ。猫がのびをするように易々と自然に美しい音が出てくる。なるほど、ブラウンの再来というのは、そういう意味か。
 ぼくはリー・モーガンはこのアルバムと、ジャズ・メッセンジャーズのやつしか聴いたことがないのだが、このひとバラードで本領を発揮するんじゃないだろうか。



 別のやつも聴いてみよう。
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2007年08月27日

アット・ザ・オルガン Vol.3/ジミー・スミス


At the Organ vol.3
Jimmy Smith at the Organ, Vol. 3

ジミー・スミス(org)
ソーネル・シュワルツ(g)
ドナルド・ベイリー(ds)

1956年録音


 突然だが、ぼくはらっきょうが好きだ。
 それも、妻の実家の自家製の、シンプルに塩と唐辛子でつけた、ピリピリ辛いやつが好きだ。
 これ、味も匂いも歯触りも独特で、自分でもなんでこんなものが好きなんだろうと思うけれど、癖になる。慣れてしまうと、カレーライスについてくる甘らっきょうじゃ物足りないのである。


 ジミー・スミスのオルガンは極上の塩らっきょうだ。
 とくにこのアルバムでは、いつにもましてむき出しで、やりたい放題で、強烈な匂いがするし、苦手な人は苦手に違いない。それでもここで味わえるのは、土の香りのする、鮮烈な音楽だ。
 お試しあれ。


 ところでいきなりVol.3なのは、特に深い訳はない。気がつかないで買ってきたのだ。Vol.1とVol.2はどこに行けば手に入るんだろ。

2007年08月26日

エラ・イン・ベルリン/エラ・フィッツジェラルド


エラ・イン・ベルリン完全版(+4)
Ella in Belin

エラ・フィッツジェラルド(vo)
ポール・スミス(p)
ジム・ホール(g)
ウィルフレッド・ミドルブルックス(b)
ガス・ジョンソン(ds)

1960年録音

 
 ジュリー・ロンドンが隣のきれいなお姉さん系のジャズ・シンガーだとすれば、エラ・フィッツジェラルドは隣の普通のおばさん系のジャズ・シンガーとでもいえばいいのだろうか。


 だが、この隣のおばさんは危険だ。
 ある意味、隣のきれいなお姉さんより危険かもしれない。
 防音が完璧ならともかく、壁の薄いアパートで隣り合わせだったりしたらどうしよう。
 エラおばさんが掃除しながら鼻歌でも歌い始めたら、こっちは鼻からみそ汁を飲みかねない。
 周囲30m以内に在住するジャズ・ファンは、聞こえてくる歌声に気をとられて茶碗を食ったり、飼い猫を洗濯したり、シャンプーで歯を磨いたりしないよう、鉄壁の精神力を身につける必要がある。


 このレコードは、エラおばさんがベルリンに遊びに行ったときの記録である。
 人が集まって来ちゃって、たいへんなことになったらしい。
 本当だ。大変だ。
 エラおばさんが調子に乗っちゃって、七色の声を使い分けたり、ルイ・アームストロングのマネをしたり、超高速スキャットを披露したりするもんだから、さらに収拾のつかない状況になっている。


 見てみたかったな。
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2007年08月25日

アラウンド・ミッドナイト/ジュリー・ロンドン


アラウンド・ミッドナイト(紙ジャケット仕様)
Around Midnight

ジュリー・ロンドン(vo)
ディック・レイノルズ・オーケストラ

1960年録音


 クール・ビューティ、ジュリー・ロンドン。隣のきれいなお姉さん系のジャズ・シンガー。
 こういうお姉さんに「おいたはダメよ」と言われてみたい。
 ・・・自分で言ってて気色悪い。

 
 ちょっとダルい感じの、色っぽい声だ。
 だが、危ない感じはしない。60年代アメリカの、陽光燦々、広い芝生に白い平屋という明るい世界にそのままつながった「アラウンド・ミッドナイト」だ。本質的な意味での翳りはここにはない。
 もちろん、それはそれでいい。


 いつか見た懐かしいあの光景が心の奥底からふらりと立ち上がってくる。その不思議な感覚を味わうのが、この時代の女性ジャズ・ボーカルのひとつの楽しみ方だと、ぼくは思っている。
 もちろん、「いつか見た懐かしいあの光景」はひとそれぞれ違うわけだ。言うまでもないことだけれど。
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2007年08月23日

アランフェス協奏曲/ジム・ホール


アランフェス協奏曲
CONCIERTO

ジム・ホール(g)
チェット・ベイカー(tp)
ポール・デスモンド(as)
ローランド・ハナ(p)
ロン・カーター(b)
スティーブ・ガッド(ds)

1975年録音



 このアルバム、何回聴いたかわからないなあ、と思っていたら、いまはわかるのだった。iPodを買ってから74回。ということはいま聴いているのが75回目か。すると、LP時代、CD時代を通して400〜500回というところだろうか。
 ・・・こういうことがわかるのって、なんだかつまらん。世の中にはもう少し謎があってもいい。



 どの曲もいいのだが、やはり最後の「アランフェス協奏曲」が絶品だ。ジム・ホール、チェット・ベイカー、ポール・デスモンドという、いずれ劣らぬバラードの名手が集まっちゃったもんだから、しかも題材がそれでなくても哀愁たっぷりの「アランフェス」と来ているもんだから、本当にやりたい放題だ。
 これだけやってくれればカネを払って惜しくない。


 何回聴いたかはともかく、これだけ聴いて飽きないのだから、きっと死ぬまで飽きないだろう。死ぬ間際に結局何回聴いたかチェックしてみようと思う。
posted by kiwi at 21:50 | Comment(4) | TrackBack(0) | ギター・ベース

2007年08月21日

サキソフォン・コロッサス/ソニー・ロリンズ


サキソフォン・コロッサス
Saxophone Colossus

ソニー・ロリンズ(ts)
トミー・フラナガン(p)
ダグ・ワトキンス(b)
マックス・ローチ(ds)

1956年録音


 
 音楽には聴くべきときがある。


 たとえば3人前くらい働いて、平らなところを歩いていてもつまづくくらい疲れ果てて帰ってきたこんな夜には何を聴くべきか。
 ヘレン・メリルに慰めてもらう、とか、ビル・エバンスの幻想に浸りきる、とか、MJQのブルースでクールダウンする、という手もある。
 明日は休み、というのならそれもよいかもしれない。



 だが、今日はまだ火曜日で、週末は休日出勤までせにゃならん。べそをかいておうちに閉じこもっていられる身分でもない。



 しょうがない。こういうときのために、あまりしょっちゅうは聴かずにとってあるこいつを聴こう。ロリンズのテナーと、マックス・ローチのドラムからエネルギーをもらうのだ。
posted by kiwi at 20:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス

2007年08月19日

フライト・トゥ・デンマーク/デューク・ジョーダン


Flight to Denmark
Flight to Denmark

デューク・ジョーダン(p)
マッズ・ヴィンディング(b)
エド・シグペン(ds)

1973年録音



 「誠実なジャズ」という言葉は自己矛盾のような気もするが、もしそう呼ばれる音楽があるとしたら、このアルバムがそうだ。訥々とピアノに向かい、黙々と紡ぎ出すのは陰影に満ちた、世にも美しいメロディ。これ、クラシックのファンにも聴かせたい。
 ピアノ・トリオのドラム職人、エド・シグペンのサポートも絶品。


 デューク・ジョーダンはあまり世渡りの上手な人ではなかったらしく、映画の主題曲として有名になった「危険な関係のブルース」(このアルバムにも収録)を作曲したのにクレジットも出なかったとか、一時ジャズ界から身を引いてタクシードライバーで食いつないでいたとか、いろいろと逸話があるらしい。
 そうした経験が、このアルバムに結実しているのかも知れないし、関係ないのかもしれない。どちらでもいい。


 ぼくは、この音楽が聴けるなら満足だ。
posted by kiwi at 22:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2007年08月18日

ピクチャー・オブ・ヒース/チェット・ベイカー&アート・ペッパー


ピクチャー・オブ・ヒース
Picture of Heath

チェット・ベイカー(tp)
アート・ペッパー(as)
フィル・アーソ(ts)
カール・パーキンス(ts)
カーティス・カウンス(b)
ローレンス・マラブル(ds)

1956年録音


 ぼくがジャズを聴き始めた頃に、チェット・ベイカーとアート・ペッパーが組んだ「プレイボーイズ」というアルバムがあった。
 レンタルレコードで見つけてきたのだけれど、中音域でのトランペットとアルトサックスの色っぽいデュエットがなかなか気色よくて、気に入っていた。
 ジャケットも気に入っていた。


 
その後、多少CDを買っても昼飯を抜かないで済むようになったので、早速注文しようと思ったのだが。



 ない。


 Amazonで探すとうさぎちゃんのほうのプレイボーイばっかり出てくる。
 廃盤になっていたのである。




 えー。





 手に入らないと思うと、欲しい。
 あちこち探し回っていて、ふと、同じ内容のCDがある、という噂を耳にした。同じ内容って、どういう意味だろう、と思いつつ、取り寄せてみた「ピクチャー・オブ・ヒース」。おお、あのデュエットだ。オリジナル盤は版権かなんかの関係で、同じタイトル、ジャケットでは出せなくなっちゃったんだなきっと。
 まあ、内容が同じだからいいけど。
 


 その後、オリジナル盤のほうも中古CD屋で偶然みつけたが、他のCDが3〜4枚買える値段だったので、潔く諦めた。
 何しろ、同じ内容だしな。
















 今、後悔している。
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2007年08月16日

ブロッサム・ディアリー・フォー・カフェ・アプレミディ


ブロッサム・ディアリー・フォー・カフェ・アプレミディ
BLOSSOM DEARIE
 for cafe Apres-midi

ブロッサム・ディアリー(vo)


 アニメ声のジャズ・シンガー、しかもちょっと舌足らず。ブロンドのショートカットで、おまけにメガネっ娘。なんか妙なファンがつきそうだ。
 その名も甘い、ブロッサム・ディアリー。本名らしい。


 甘い、媚びている、と、こういう歌を嫌う人もいるらしい。が、そういう人は大人しく、マイルスのラッパの中にでも頭をつっこんでいればいいと思う。・・・それはそれで楽しそうだな。


 それでも、たとえば“Doop-Doo-De-Doop”がつまらん、という人とは、ぼくはたぶんお友達になれない。たましいの言語が違うんじゃないか、と思うからだ。
 
 でも“Doop-Doo-De-Doop”なんかつまらん、やっぱり“Tea For Two”だろ! と言い張るひととは、別の意味でお友達になれそうな気はする。
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2007年08月15日

インヴィテーション/アル・ヘイグ


インヴィテイション
INVITATION

アル・ヘイグ(p)
シルベール・ロヴェル(b)
ケニー・クラーク(ds)

1974年録音


 ピアノの性能を限界まで引き出すような、旋律の美しい、ハーモニックなピアノを弾くひとだ。きらびやかなメロディをスキャットみたいな早さで紡ぎ出す一方、ツボを抑えたバラードも味がある。大変なテクニシャンであることは間違いない。


 で、まじめ。
 とにかく、まじめ。


 この人、

 不協和音? ワシは使わん!

 くらいの事は言ったのではないだろうか。ひょっとしてアドリブも譜面に書いてあるんじゃないだろうか、と思うくらい、まとまった、優等生のピアノだ。


 でも、優等生のくせに、それで退屈したり、「オマエたまにはハメを外してみろよ」という気分にならないのだ。確かに天馬空を行く、というところはない。でもその代わりに、地に足のついた、落ち着いた驚きみたいなものが、この人のピアノにはある。


 じっくり聴いても、うわの空で聞いても味がある。
 ちょっと珍しいタイプのピアニストだ。 
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2007年08月15日

サッチモ・ベスト〜この素晴らしい世界/ルイ・アームストロング


サッチモ・ベスト/この素晴らしき世界
ルイ・アームストロング (vo,tp)
エラ・フィッツジェラルド(vo)
ヴェルマ・ミドルトン (vo)


 ルイ・アームストロングから最初にこのアルバムを選んだのには、あまり意味がない。
 ジャケットの笑顔が、ルイ・アームストロングらしいなあ、と思ったからだ。


 ちなみに、わが家ではルイ・アームストロングとは呼ばない。
 サッチモとも呼ばない。
 おっさんと呼ばれている。


 おっさんかけて。

 おっさんのCD知らない?



 キング・オブ・ジャズをつかまえて、おっさんとは何事か。


 だが、考えてみて欲しい。世界に何人のおっさんがいるかを。
 その中でただひとり、ルイ・アームストロングだけが、わが家でおっさんと呼ばれるのである。


 おっさんの中のおっさん。


 ザ・おっさん。


 ひとと現実に働きかけ、秘められしもの、埋もれたるものを星屑のようにまきちらし、いっときにせよ世界を変える、そういった技術を魔法と呼ぶなら、ルイ・アームストロングの音楽は魔法の一種だ。魔法を言葉で説明するのは難しいが、この魔法は記録ができるので、ぼくらはいつでもその片鱗に触れることができる。
 ぼくはルイ・アームストロングが「ハロー・ドーリー」を歌う短いシーンをipodに入れて持ち歩いているのだけれど、ある朝、通勤ラッシュの始まる前の通勤電車の中で、それを妻に聴かせてやったことがある。妻はヘッドホンの一方を片耳に押し込んで、おっさんがギョロ目をむいて歌うのに見入っていたが、それからよほど経って、わざわざぼくの耳からヘッドホンを抜いてこうささやいた。



 「サッチモって、元気が出るよね」



 つまりは、そういうことなのだ。




 この魔法はいまから100年近くも前、アメリカのどこかの少年院で、13歳のルイ・アームストロングが、魔法の杖ならぬ金色のコルネットに出会ったときに始まった。ルイ少年が何をして少年院に放り込まれたのかよくは知らないが(ネットで調べるとお祭りの日に調子に乗ってピストルをぶっ放したらしい)、その後に起きたことを考えれば、ぼくらはこの偶然に感謝しなくてはならないだろう。
 だが一番感謝していたのは、ルイ・アームストロング本人だったに違いない。楽しそうに、心底うれしそうに演奏する彼を観るたび、ぼくはそう思うのだ。
 それもまた、魔法の一部なのだろう。



 ルイ・アームストロング。1971年没。
 以来、天国もちっとは楽しいところになったと、風の噂に聞く。

(「キウイの楽園」から再掲)
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2007年08月13日

静かなるケニー/ケニー・ドーハム


静かなるケニー
Quiet Kenny

ケニー・ドーハム (tp)
トミー・フラナガン(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)

1959年録音


 トランペッターが「静か」じゃあ商売にならないだろうと思うのだが、なるほど、なんだか引っ込み思案で、ケレンがなく、大人しいラッパだ。音もちょっと違う。トランペットというより、フリューゲルホルンのようだ。
 だが、これはこれでいいなあ、とぼくは思う。うまい水のように沁みてくるのだ。「Alone together」なんか、泣けてくるではないか。


 ケニー・ドーハムはアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズにいた人だし、もう1枚の人気盤「アフロ-キューバン」では快調にとばしているから、いつでも「静か」なわけじゃなかったんだろうと思う。でも、このアルバムを聴いていると、この人は本質で「静か」なひとだったんじゃないかなあ、という気がしてならない。こういう顔だし。


 実は素顔はむちゃくちゃふぁんきいだったりしたら、それはそれは面白いけど。
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2007年08月12日

マッド・ハッター/チック・コリア


マッド・ハッター
The Mad Hatter

チック・コリア (p)
エディ・ゴメス (b)
ジョー・ファレル(fl,ts)
スティーブ・ガッド (ds)
ゲイル・モラン(vo)
ハービー・ハンコック(p)


1978年録音


 この時期のチック・コリアは、演奏を聴いていると風景が見えてくる。想像力と創造力って言葉が似ているのは偶然ではない、ような気がする。

 ぎこぎこ言う弦楽器や、バーバー鳴るテナーといったアコースティックな音が、チック奏でるシンセザイサーと融合しているような、融合していないような、奇妙で不思議な味わいは、なるほど題材になっている「不思議の国のアリス」の世界に似合っているかもしれない。おもちゃ箱をひっくり返したようなごちゃごちゃなカラフル感が楽しい。

 このアルバム、LP時代のお気に入りのひとつだったのだけれど、その後ずっと廃盤になっていて、手に入らなかった。ぼくは数ヶ月に一度くらいずつ、未練がましくamazonをサーチしていたのだが、ある日復刻されることを知って、密かにぐっとコブシを握ったりしたのだった。


 ところで、チック・コリアってマリオに似てない?
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2007年08月11日

ザ・ポピュラー・デューク・エリントン



ザ・ポピュラー・デューク・エリントン
The Popular Duke Ellington

デューク・エリントン(p)
キャット・アンダーソン(tp)
ジョニー・ホッジス(as)


1966年録音


 ぼくは子どもの頃にテレビで「グレンミラー物語」を見て、世の中にはこんなに愉快な音楽があるのか、とジャズに興味をもったクチなので、今でもビックバンドには思い入れが強い(もちろんグレン・ミラーも大好きだ)。
 だが、その流れでデューク・エリントンを聴いて、これはちょっと違うぞ、と思ったのだ。


 ぼくの知っていたビックバンド・ジャズは、多かれ少なかれ予定調和的な部分があった。必ずハッピーエンドで終わることがわかっているので、安心して見られる映画みたいに。
 ところがデューク・エリントンは次に何が飛び出してくるのかわからない。
 すさまじいソロも、こいつ勝手に吹いているんじゃないよな、ちゃんとつながるよな、あとでエリントンに怒られたりしないよな、となんだか心配になるのだ。

 
 で、それがエリントン楽団の楽しさのキモであることに気づくと、癖になる。
 

 1曲目の「A列車で行こう」は、デューク・エリントンのピアノ・トリオ状態で演奏が始まる。あれ、ビックバンドじゃないのか、でもこれはなかなかいいな、この人ピアニストとしても一流だな、おおなかなか凄いぞ、盛り上がって来たぞ・・・というところで波頭が崩れるようにブラスが吹き上がり、鳥肌が立つ。この瞬間が聴きたいばかりに、何度もリピートする悪い癖がついてしまった。

 
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2007年08月11日

チェット・ベイカー・シングス


チェット・ベイカー・シングス
CHET BAKER SINGS

チェット・ベイカー(tp,vo)
ラス・フリーマン(p)
カーソン・スミス(b)


1954,56年録音


 ジャズ・トランペッターには、歌が上手なひとがたまにいる。
 ルイ・アームストロングを筆頭に、ディジー・ガレスピーも上手いんだか下手なんだかよくわからないけど楽しい歌を歌う。で、チェット・ベイカーもへんな味のある、ダルい歌を歌う。
 一方、サックスやトロンボーン吹きで歌もいける、という人はあまりいない。不思議といえば不思議だ。
 

 チェット・ベイカーの歌は、こっちが元気なときには、もうちょっと元気を出しましょう、と思うが、落ち込んでいるときには結構染みる。でも、よし、がんばろう、という気にはならないところがミソだ。まあたまにはこんな日もあるさでれーん、で、終わってしまうのだ。まあ、気合いを入れる必要があるときには、ブレイキーおじさんあたりに尻を蹴飛ばしてもらえばよい。チェット・ベイカーはあまり動きたい気分じゃないときに、ゆっくり聴くべき音楽だ。


 そういう音楽だって、必要なときがある。
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2007年08月10日

エイプリル・イン・パリ〜チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス


エイプリル・イン・パリ~チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス+4
April in Paris

チャーリー・パーカー(as)
スタン・フリーマン(p)
レイ・ブラウン(b)
バディ・リッチ(ds)


1949年録音



 ジャズマニアからは神様扱いされているチャーリー・パーカーだけど、ぼくは最初、どこがよいのかよくわからなかった。本当にうへえ、と思ったのはこのアルバムからだ。
 チャーリー・パーカーのサックスは、まるで口笛のように身軽で、まるで鳥がさえずっているみたいにコロコロと流れる。 
 だから「バード」ってあだ名なのだろうか。


 不思議なもので、一度すげえなあ、と思うと、前にどこがよいのかわからなかったアルバムの聴きどころがなんとなく見えている。ウィズ・ストリングスは甘すぎると嫌うひとがいるけれど、こんな効用もあるんだから、堅いこと言わないで許して欲しいと思う。


 で、チャーリー・パーカーはさっさと麻薬なんかやめて、もうちょっとゆっくりしていけばよかったのに、とぼくは思う。
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2007年08月08日

ウィチタ・フォールズ/パット・メセニー


As Falls Wichita So Falls Wichita Falls
As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls

パット・メセニー(g)
ライル・メイズ(p)
ナナ・ヴァスコンセロス(ds)

1980年録音



 アルバム名:

  アズ・フォールズ・ウィチタ、ソー・フォールズ・ウィチタ・フォールズ




 覚えられるか!


 おかげでぼくはこのアルバムを20年探したのだ。マジで。




 最初に出会ったのはレンタルレコードで、手当たり次第に借りてきた何枚かの中に紛れ込んでいたのだと思う。ぼくはこのアルバムがいたく気に入ったのだが、パット・メセニーという名前と、ビル・エバンスに捧げた「9.15」というきれいな曲が入っていることしか覚えられなかった。
 で、たぶん同じ頃に聴いた、メセニーの別のアルバムとこんがらがったのだろう。ずっと「アメリカン・ガレージ」だと思い込んでいた。


 後になって「アメリカン・ガレージ」を聴いて、ショックを受けた。こ、これじゃない!
 アメリカン・ガレージだっていいアルバムだが、こっちはカントリーっぽいとっても陽気な1枚だ。原節子だと思って声をかけたら中川翔子だったという感じのショックだった。いいたいことが伝わるかよくわからない例えだけど。


 こうなるとパット・メセニーだったことも怪しくなってくる。
 結局、見つからないまま時は過ぎて、探し当てたのはAmazonであれこれ検索できるようになってからだった。「ジャンボ・カリベ」同様、ジャケットが決め手だった。


 で、ぼくは20年ぶりに9.15(September Fifteenth)を聴きながら、今度からちゃんとメモを取ろう、メモを取るのならついでだからブログに残しておこう、と思ったのだった。
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2007年08月07日

モーニン/アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ


モーニン+2
Moanin'

アート・ブレイキー(ds)
リー・モーガン(tp)
ベニー・ゴルソン(ts)
ボビー・ティモンズ(p)
ジミー・メリット(b)

1958年録音


 ジャズを聴き始めたころ、友達に誘われて、大きな野外ジャズ・コンサートに出かけたことがある。観客が会場でバーベキューはじめて警備員に怒られたり、突然降り出した雨の中で列を作って踊ったり、ジャズファンってのはパーだとそのとき思ったものである。


 そのとき舞台に出ていたのが、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズだった。


 何度聴いても思うのだが、ジャズ・メッセンジャーズのメンバーって気の毒だ。
 ジャズ・ミュージシャンだって人間だから、「今日二日酔いで・・・あああ大きな声出すな」とか、「今日オレちょっとアンニュイな気分なんだよね」って日だってあると思うのだ。


 そんなとき、アート・ブレイキーが後ろで「さーて、今日もいっちょう行くか」と“ドラム・サンダー組曲”なんか叩き始めたら、一体どうすればいいんだ。
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2007年08月06日

サーフライド/アート・ペッパー


サーフ・ライド
Surf Ride

アート・ぺッパー(as)
ハンプトン・ホーズ(p)
ジョー・モンドラゴン(b)
ラリー・バンカー(ds)


1952〜54年録音


 アート・ペッパーの身体の中には、鼻の下まで歌がいっぱいつまっている。そいつは、ふちを乗り越えようと盛り上がるコップの水みたいに、彼がマウスピースをくわえて堰を切る瞬間をいまかいまかと待っているみたいに、ぼくには思える。

 もちろん、そんなに簡単なものであるはずがない。もしそんなに易々と歌うことができるのなら、アート・ペッパーの人生はもっとシンプルなものだっただろう。
 わかっちゃいるが、楽そうだ。それがアート・ペッパーの魔法の肝である。

 ジャケットだけはあんまりだと思うけど。
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2007年08月05日

グルーヴィー/レッド・ガーランド


グルーヴィー
GROOVY

レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・テイラー(ds)

1956,57年録音


 ぼくはときどき不思議に思うことがある。

 ピアノという楽器は鍵盤を押せば誰でも似たような音が出る。あとは順番と早さと強さの組み合わせだけでしかない。でしかないはずなのに、ピアノで奏でる世界がこうも無限に広いのは、一体どういうわけなんだろうか。

 レッド・ガーランドという人は、前職がボクサーなんだそうだ。言っちゃあなんだが、ひとをぶん殴るコブシから、こういう音楽が出てくる理由がよくわからない。別の言い方をするならば、こういう音楽が出てくるコブシを持ってリングに立つならば、なんかすさまじい必殺技で相手を葬るくらい朝飯前だったのではないかという気もする。あ、ボクシングは指を使うわけじゃないか。

 ぼんぼんでんでんと鳴るベースが、ほとんど生理的に気持ちいいんですけど。
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2007年08月04日

クールの誕生/マイルス・デイビス


クールの誕生
BIRTH OF THE COOL

マイルス・デイビス(tp)
J.J.ジョンソン(tb)
カイ・ウィンディング(tb)
リー・コニッツ(as)
ジュリー・マリガン(bs)
ジョン・ルイス(p)
アル・ヘイグ(p)
マックス・ローチ(ds)
ケニー・クラーク(ds)
ギル・エバンス(アレンジ)

1950年録音音


 ぼくが初めて聴いたマイルス・デイビスがこれ。いきなり「ビッチェズ・ブリュー」よりは、だいぶ幸せな出会い方をしたほうじゃないだろうか。もっともこれ以降、「もしかしてマイルス・デイビスという人は何人もいるんじゃないだろうか」という思いを繰り返しして、未だにマイルスを買うのは怖いんだけれど。

 端正な、ビックバンド・ジャズのような、クラシックのような、そのどれでもないような、不思議な雰囲気のある一枚だ。
 なんだか後年の「スケッチ・オブ・スペイン」に似ているなあ、と思ったら、ギル・エバンス(アレンジ)が1枚噛んでいるらしい。音楽の個性は指紋みたいに痕跡を残す。

 
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2007年08月04日

ヴェリー・トール/オスカー・ピーターソン・トリオ・ウィズ・ミルト・ジャクソン


ヴェリー・トール
VERY TALL

ミルト・ジャクソン(vib)
オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
エド・シグペン(ds)

1961年録音

 ヴァイブは音が強くないから、相手がどう引くかで音楽としてのバランスが決まるようなところがある。
 その意味では、よい意味で芸人のオスカー・ピーターソンが相棒なので、両者の駆け引きは絶妙だ。ピーターソンは火がつくとうなり声を上げながらものすごい勢いで弾くけれど、ミルト・ジャクソンに花を持たせるべきところではすました顔でサポートに徹する。で、二人で肩を組んで突撃もする。大人の至芸だなぁ。


 ミルト・ジャクソン+ピアノトリオという構成は、考えたらモダン・ジャズ・カルテット(MJQ)と同じだが、じゃあ似ているかというと全然似ていない。当たり前といえば当たり前だが、不思議といえば不思議だ。
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2007年08月01日

ウェイ・アウト・ウェスト/ソニー・ロリンズ

ウェイ・アウト・ウエスト+3WAY OUT WEST

ソニー・ロリンズ(ts)
レイ・ブラウン(b)
シェリー・マン(ds)

1957年録音



 ぼくはこのアルバムを「ちゃかぽこ」というあだ名で呼んでいる。
 

 こういう編成でピアノがいないと、むき出しというか、丸出しというか、フリチンというか。逃げも隠れもできない荒野の三人組だ。ソニー・ロリンズのすっとぼけた豪快プレイのひきたつこと。
 カウ・ボーイが焚き火を囲んで演奏しているみたいで楽しい。豆とベーコンでも食いながら聴いたら似合うだろう。


 LP時代、東京中探し回ってもこのアルバムがどうしても手に入らなくて、諦めかけていたら、地元の小さいレコード屋で見つけて腰を抜かしたことを思い出した。


 それにしても、CDのボーナストラックというのはなんとかならんのだろうか。このアルバム、同じ曲が3組入っていた。いくらカウ・ボーイだってやりすぎだ。
 iPodが壊れたのかと思ったぞ。
posted by kiwi at 21:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス