2009年06月20日

テキーラ/ウェス・モンゴメリー


テキーラ(紙ジャケット仕様)
Tequila

ウェス・モンゴメリー(g)
ジョージ・ディヴェンス(vib)
ロン・カーター(b)
グラディ・テイト(ds)
レイ・バレット(conga)


1966年録音


 年のせいかもしれないけれど、最近、後期のイージー・リスニング路線と言われた頃のウェス・モンゴメリーが妙に浸みてくる。熱気が引っ込んだぶん、使い込まれた家具みたいな艶と侘びさびが出てきて、いい感じなのだ。押しつけがましいところがなく、こういう気分の時に何を聴いたらいいんだ、みたいな状況で引っ張り出してきても、外れない。

 コンガが入ったり、ストリングスが入ったり、彩りは賑やかだけど、編曲のセンスなんだろう、使いどころをわきまえていて、目がチカチカするようなところはない。同じ年の録音でヒット作となった(らしい)「夢のカリフォルニア」はオーケストラの中のウェス・モンゴメリーという感じが強いけれど、こちらはもっとこじんまりと、トリオから小編成のコンボという感じで聴ける。
posted by kiwi at 23:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ギター・ベース

2009年06月13日

アル・ヘイグ・トリオ/アル・ヘイグ


アル・ヘイグ・トリオ
アル・ヘイグ・トリオ

アル・ヘイグ(p)
ビル・クロウ(b)
リー・エイブラハム(ds)

1954年録音


 エッジの効いた写真みたいに、輪郭のくっきりとした鮮やかなピアノを弾くひとだ。ぼくはアル・ヘイグ氏のプロフィールをほとんど何もしらないのだけれど、もし演奏家にならなかったらこの人はエンジニアになっていたのではないだろうか。ものごとの成り立ちをまずは理で突き詰めようとする、そんな迫力みたいなものを感じる。
 といっても堅いとか理屈っぽいとか、そういう意味ではない。前のめりにつっこんでいくようなところはないけれど、その代わりに隅々までコントロールされた熱情と硬質のファンタジーが心地よい。天空を行く理系のペガサスだ。
 アーマッド・ジャマルに続き、プチ・マイブームになりそうな予感。
posted by kiwi at 22:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2009年06月09日

ヤードバード・スイート/ハービー・マン


ヤードバード・スイート
Yardbiad Suite

ハービー・マン(fl、ts)
フィル・ウッズ(as)
エディ・コスタ(Vib、p)
ジョー・プーマ(g)
ウェンデル・マーシャル(b)
ボビー・ドナルドソン(ds)

1957年録音


 ハービー・マン目当てで買ったのだけれど、家に帰ってからヴァイブを演奏しているのがひいきのエディ・コスタであることに気がついた。聴いてみたらとてもよい。好きなせいもあるけれど、リーダーほったらかしでそっちばっかり聴いてしまう。ぼくはエディ・コスタはピアノは面白いけれどヴァイブはまあ普通、程度に思っていたのだが、考えが変わった。リーダー作のはずの「ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス」よりずっと生き生きしている。緊張していたんだろうか?
 このひとにはやはり、長生きして欲しかった。ヴァイブのほうでもミルト・ジャクソンとはまた違った道を切り開いたかもしれない。

 肝心のハービー・マンはどこにいるのかよくわからないなあ、と思っていたら、フルートだけでなくテナーを持ち替えで演奏しているらしい。だがサックスも元気で若々しいフィル・ウッズが張り切っているので、こちらでもいまひとつ目立たない。一番存在感を発揮しているのはジャケットだ。
 その代わりに全体のバランスはなかなか絶妙。それもリーダーの力量のうち、ということなら、なかなかやるハービー・マン。

2009年06月07日

ボディ・アンド・ソウル/コールマン・ホーキンス


ボディ・アンド・ソウル
Body and Soul

コールマン・ホーキンス(ts)



 iPodのハードディスクがいっぱいになって、新しいアルバムが入らなくなった。
 あまり聴かないのを削って空きを作ろうと思ったのだが、候補を絞るのが難しい。迷いに迷って悶絶し、我に返ったら新しいiPodを買っていた。強いストレスのため一時的に心神耗弱状態に陥ったらしい。
 ディスク容量は4倍になった。ちゃんと延長保証もつけてあった。

 4倍。簡単に言うけれど、これは大変な違いだ。ちょっと想像してみて欲しい。あなたの身長が4倍。体重が4倍。まつげの長さが4倍。眉毛の濃さが4倍。それはもはや、4倍のあなた、とは言えまい。別の人間だ。もしくは別の生き物だ。
 4倍の音楽生活もおそらく、今までの延長線上にはない。マニアでもコレクターでもないぬるい音楽生活を続けて30年。このペースだと4倍を使い切るには90年かかる。
 どうしよう。

 同じアルバムを何年も平気で聴いていたりするので、極端には枚数が増えないのだ。新しいアルバムを買う金がないので、古いので我慢しているというわけではない。いや、金はないけれど。
 昔、友達百人できるかな、という歌があった。ぼくは友達が百人できるかどうかより、百人も名前を覚えられるかどうかのほうが心配だった。名前も覚えられない相手を友達とは呼べないだろう。たぶん、知り合いになった人間の数が多ければ多いほど、人生幸せ、というわけでもない。
 きっと、音楽的な幸せも、聴いたアルバムの枚数に比例するわけでもないだろうと思う。
 というわけで、4倍のiPodでぼくは今日もコールマン・ホーキンスの「ボディ・アンド・ソウル」を聴いている。進歩なし。
posted by kiwi at 08:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス