2009年08月23日

ライオネル・ハンプトン・クインテット


Lionel Hampton Quintet: Vme
The Lionel Hampton Quintet

ライオネル・ハンプトン(vib)
バディ・デフランコ(cl)
オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
バディ・リッチ(ds)

1954年録音


 これ、ライブ録音・・・じゃないよな?

 ルイ・アームストロングやライオネル・ハンプトンを聴いているとときどき思うのだけれど、こういう音楽の作り手がいて、またそれが無条件に受け入れられていた時代というのは、まあいろいろあるにしてもとりあえず音楽的にはいい時代だった、と言い切ってしまっていいんじゃないだろうか。無邪気だとか、苦労知らずだとか、単純だとか、言おうと思えばいろいろ言えるわけだけれど、まあそういうことはこっちにおいといて、とりあえず聴いてけや、な? といえるだけの迫力を音楽が持っていた、というのはやっぱり凄いことだと思う。
 ユーミンの歌に「小さいころは神様がいて」という一節があるけれど、シンプルだからこそ見えるものもあるのだ。

 それにしてもハンプトンおやじ、燃えまくり。
 おっさん、おっさん、ちょっと、おい。
 おーい、人の話聞いてる? ねえ、ちょっと。すみませーん。
posted by kiwi at 18:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ヴァイブ

2009年08月15日

ポギーとベス/MJQ

Porgy & Bess
Plays George Gershwin's "Porgy and Bess"

ミルト・ジャクソン(vib)
ジョン・ルイス(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)

1964〜65年録音


 MJQの音楽にはいろいろといいところがあるけれど、そのひとつが「静けさ」じゃないかと思う。物理的に音の強度、密度が低い、というだけではなく、もっと積極的な意味で静謐で、クールで、止まっている。「寂しい」と「侘び」の差だ。
 それはジャズという音楽の特性のひとつであり、ジャズの存在理由のひとつでもあるけれど、MJQの音楽にはそれが強く出る。特にこのアルバムなんかそうだ。
 ボリュームを上げてもあまり意味がないので、できるだけ静かな夜に、耳と神経の感度を上げて聴くようにしている。

 静かで冷えた音楽は、それを聴くのに心的エネルギーをあまり消費しない。夏ばてして食欲のないときにもお茶漬けならさらさらと入るように、くたびれてちょっと音楽を聴く気にならないときでも「ポギーとベス」なら聴ける。まあ、無理に聴く必要はないけれど。
posted by kiwi at 23:38 | Comment(2) | TrackBack(0) | コンボ・グループ

2009年08月09日

フリヴァラス・サル/サル・サルヴァドール


フリヴァラス・サル(K2HD紙/ジャケット仕様)
FRIVOLOUS SAL 

サル・サルヴァドール(g)
エディ・コスタ(p,vib)
ジョージ・ルーマニス(b)
ジミー・キャンベル(ds)

1956年録音


 変わった名前のギタリストは名前だけは知っていたけれど、お目当ては脇役のエディ・コスタのほう。相変わらずのドンドコいう太鼓みたいなピアノはもちろん、ちょっととぼけた味わいのあるヴァイブも快調で嬉しい。欲をいえばもっと目立って欲しいけれど、リーダーアルバムではないしそれはわがままというものだろう。でも「All the Things You Are」みたいな演奏がたっぷり聴ける、ヴァイブのほうのリーダー作も作って欲しかったなあとやっぱり思う。
 

 で、肝心のリーダーのほうだけれど、FRIVOLOUSというのはつまらない、取るに足らない、という意味なんだそうだ。「つまらないサル」というタイトルを自分のアルバムにつけるとは、よっぽど自信過剰の目立ちたがりか、それともそのままM気質か、どちらにしても若干警戒気味で聴いていたのだが、普通だった。シングルトーンでメロディを綴っていく、グラント・グリーンをもうちょっと器用にして、塩もみして水にさらしてアクを抜いた感じ。英語のニュアンスはわからないけど、「つまらない」というよりは、今時の女子高生あたりがよく使う「フツー」という語感に近いんじゃないだろうか。取り立てて好みというわけじゃないが、別に遠ざける理由があるわけでもない、というポジションである。

 実は女子高生に「フツー」と言わせるのは、結構難しいんじゃないかとぼくは思っている。
 
posted by kiwi at 23:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | ギター・ベース

2009年08月09日

デュオ/ケニー・ドリュー&ニールス・ペデルセン


デュオ(紙ジャケット仕様)
DUO

ケニー・ドリュー(p)
ニールス・ペデルセン(b)

1973年録音


 ウッドベースとコントラバスは、同じ楽器を別の名前で呼んでいるだけなんだそうだ。ぼくはこのアルバムを聴いて、ピアノとベースというより、ピアノとコントラバスのデュエットと呼んだほうがしっくり来るんじゃないかと思った。ニールス・ペデルセンのベースが、オペラのテナー歌手みたいに腹の底から朗々と歌う。ケニー・ドリューは輪郭のはっきりした華やかなタッチで要所要所を締めつつも、むしろ引き気味に、カラフルなペデルセンのメロディを彩っていく。うーん、どちらもかっこいいぞ。

 デュオの名盤はいくつかあるが、びんびんと反応する丁々発止の打ち合いという感じはせず、かといってリラックスした大人の余裕が売り物、という感じでもない。表向きはゆったりと構えながら、実は超絶技巧と計算に裏打ちされたプロフェッショナルの凄みが聴かせる。これ、クラシックのファンに喜ばれるんじゃないかとふと思った。
posted by kiwi at 15:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2009年08月03日

コーリング・ユー/ホリー・コール


コーリング・ユー (BLAME IT ON MY YOUTH)
Blame it on my youth

ホリー・コール(vo)
アーロン・デイビス(p)
デイビット・ピルチ(b)


1991年録音


 当時ホリー・コールという名前は知らなかったし、ヒットしたという「コーリング・ユー」も聴いたことがなかったが、レコード店の店頭でかかっていたのをたまたま耳にして、買った。もちろん、どこかにピンときたのだけれど、同時になんとなく後ろめたかったのを覚えている。よくある若い美人歌手の、気持ちよくジャジーで耳あたりがよく、でも1週間も聴いたら忘れてしまうような流行りのアルバムをジャケ買いしたつもりになっていたのだ。もちろん、それはそれで悪いことじゃないんだけれど。
 あとでゆっくり聴いて、ほっとした。そういうアルバムじゃなかったのだ。

 意外に硬質な、ざらっとした手触りのボーカルで、伴奏は基本、ピアノとベースのみ。バラードでは淡々と沈んでいくが、どこかに寒い夜の月光みたいにひとを突き放すところがあって、酔いすぎないところがいい。うんうんと聴いていると、急に人を蹴飛ばすようなアップテンポの曲があって、油断ができない。
 こういうタイプの歌い手は、ぼくはあまり知らない。iPodの「シャッフル」機能で突然登場するとはっとするインパクトがあって、そういう意味でも貴重な1枚だ。
posted by kiwi at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボーカル

2009年08月01日

ユー・ベター・ノウ・イット!!!/ライオネル・ハンプトン


ユー・ベター・ノウ・イット!!!
You better Know it!!!

ライオネル・ハンプトン(vib,p,vo)
クラーク・テリー(tb)
ベン・ウェブスター(ts)
ハンク・ジョーンズ(p)
ミルト・ヒントン(b)
オシー・ジョンソン(ds)

1964年録音


 ライオネル・ハンプトンのときどき木琴みたいに聴こえるヴァイブと、脳天気なおっさんボーカルに加え、のんきな曲目ばかりのせいもあって、とっても太平楽な感じのする1枚。楽しいし、こういうのもいいなとは思うのだけれど、陰影のない風景画みたいにどこか現実離れしていて、それだけだったらそうしょっちゅうは聴かないだろう。
 ただ一曲、「A Taste of Honey」にハマってしまい、こればっかりサルのように繰り返し聴いている。こういうの前にもあったな、と思ったら、同じライオネル・ハンプトンの「スターダスト」だった。
 そういや「スターダスト」のときも、あわてて手当たり次第にライオネル・パンプトンを何枚か買ったのだが、どれもいまひとつピンと来なかった。どうもライオネル・パンプトンの音楽には、ぼくを蹴飛ばす成分が含まれているのだけれど、それがいつも発動するわけでもないらしい。

 どうしてなのかはぼくにもわからない。曲想なのか、演奏の方向性なのか、ノリなのか。緊張感とか、陰りとか、いくつか一般論に近い条件は思いつくけれど、そういうものを組み合わせても「ぼくの好きな音楽」にはならないのは目に見えている。

 だから、音楽は面白いんだな。
posted by kiwi at 22:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ヴァイブ

2009年08月01日

ライブ・イン・ニューヨーク1971/ポール・デスモンド ウィズ MJQ


LIVE IN NEW YORK 1971
Live in NEWYORK 1971

ポール・デスモンド(as)
ミルト・ジャクソン(vib)
ジョン・ルイス(p)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)


1971年録音



 ポール・デスモンドはああいう音色を出すひとなので、ストリングスなんかと組むとハマりすぎて、ええとどこいっちゃったかな、みたいな感じになることがある。それはそれでいっそすがすがしくて好きなんだけれど、デズモンドの音色を愉しむならむしろバックはクールなほうがいい。デイブ・ブルーベック・カルテットが成功したのはそのせいなのだろう。
 渋茶にようかん、カレーにらっきょう、スイカに塩。異なる味が互いに引き立て合って、ちょっとした化学反応みたいなことが起きることは珍しくない。

 そういう意味ではMJQと組んだこのアルバムも期待大で、探しまわった甲斐はあった。デスモンドの持ち味がきれいにMJQの音楽に溶け込んで、モダン・ジャズ・クインテットとでも呼びたいようなハーモニーが気色いい。ミルト・ジャクソンのフォローも至芸の域。大人だなあ。デスモンドのファンなら名盤の1枚に数えていいと思うし、MJQびいきも後悔はしないはず。あまり有名でないのが不思議だ。
 後半はボーナストラックで、MJQのみの演奏。1991年の別のライブだそうだ。

 ところで、ポール・デスモンドは正面から見るとウディ・アレンに似ている。どうでもいいけれど。
posted by kiwi at 15:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス