2009年09月13日

メンフィス・アンダーグラウンド/ハービー・マン


メンフィス・アンダーグラウンド
Menphis Underground

ハービー・マン(フルート)
ラリー・コリエル(g)
ソニー・シャーロック(g)
ロイ・エイヤーズ(vib)


1969年録音


 ぼくの持っているアルバムの相当数は録音されてから半世紀近く経っているけれど、そういう音楽を聴いていて古くさい、と感じることはほとんどない。ぼくがその時代を経験していないせいなのかもしれないが、それだけではないんだろうと思う。クラシックなんか数百年前に生み出された音楽を未だに演奏しているわけだけれど、たぶん「ベートーヴェン? うわ、ふっるー」みたいな発言をするファンはいないだろう。音楽の生存時間は、誕生日で決まるわけじゃないのだ。
 

 その反面、なんだか妙に陳腐に聞こえる音楽もある。ぼくはハービー・ハンコックの「ヘッドハンターズ」を聴いたとき、「うわ、ふっるー」と思った。このアルバム「メンフィス・アンダーグラウンド」でもそう感じた。

 
 それはたぶん、この音楽が悪いわけじゃない。
 ぼくはこの2枚が吹き込まれてからずっと後に聴いたのだけれど、その間にたくさんの(あまり質のよくない)この分野の音楽の模写が生まれて、そういうものがあちこちからぼくたちの耳に届いたのだと思う。毎日ラーメンばっかり食っていると、ラーメンそのものの美味い不味い以上に、もうラーメンいいや、みたいな気分になるけれど、それに似たことがぼくの中で起きたんじゃないだろうか。ラーメンみたいにポピュラーなカテゴリーでは特にそれが起きやすい。
 
 
 とはいえ、ハービー・マンががんばっているのは確かで、「Battle Hymn Of The Republic」なんか聴いていると、スタイル以前になんだけっこうやるじゃん、という気分になる。ハービー・マンは山っ気がありすぎる、と悪口を言われることがあるけれど、それは真っ向勝負が見たいよ、という期待の裏返しなんじゃないだろうか。少なくともぼくは真っ向勝負が見たい。