2010年01月24日

バド・シャンク・カルテット


バド・シャンク・カルテット
BUD SHANK QUARTET

バド・シャンク(as,fl)
クロード・ウィリアムソン(p)
ドン・プレル(b)
チャック・フローレス(ds)

1956年録音


 だいぶ前だが、サンフランシスコに行ったことがある。列車で移動してみようとCaltrainのプラットフォームに出てみたら、見渡す限りの広野で、透明度の高い空気を通して遙か彼方の山裾までくっきりはっきり見えた。ちょうど気候のいい季節で、マンガみたいに雲一つない青空の下、風に吹かれて立っていたら、こんなところに住んでいたら、まああまりややこしいことを考える気にはならないわな、と思った。
 
 バド・シャンクがどこで生まれて育ったのか知らないが、このアルバムを聴いているとぼくはあの景色を思い出す。どこまでもつっかえずに伸びていく感じ。輪郭のくっきりした、にじまない音。光と風と若さ。ほんのりとした甘さ。西海岸のジャズ。含みとか陰りとかミステリーといった要素は少なく、妄想がふくらまないきらいはあるけれど、そういうものは別のところで楽しめばいいのだとぼくは思う。あの陽光と風の下に、あまり隠微な代物を置いてはおけない。

 ぼくはこのひとのフルートが好きなのだが、けっこう出番が多いのも嬉しい。フルートのジャズは時々、ふわふわすぎるケーキみたいになんだか物足りないことがあるけれど、バド・シャンクのフルートにはそれはない。メイン・ディッシュでも見劣りしないボリュームだ。
posted by kiwi at 17:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス