2010年02月27日

ギター・オン・ザ・ゴー/ウェス・モンゴメリー


Guitar on the Go
Guitar On The Go

ウェス・モンゴメリー(g)
メル・ライン(org)
ジョージ・ブラウン(ds)


1963年録音



 もし別のひとになれるとしたら誰がいいか・・・というのはありがちな妄想遊びだが、ジャズ・ミュージシャンになれるとしたら誰がいいか、と言われたら、ウェス・モンゴメリーなんかどうだろう、とぼくは思う。
 われながら地味目の選択だ。男だったらマイルス・デイビスになってブイブイ言わせるべきだとも思うし、サッチモやオスカー・ピーターソンになったら楽しそうだとも思う。ビル・エバンスになって女性ファンにもてもて、というのも悪くない。でも、さあどうする、といわれたら迷った挙句、土壇場でウェス・モンゴメリー、と言いそうな気がする。


 詳しくは知らないが、売れる前はずいぶん苦労をしたようだし、売れ出したあともあっさり早死にしてしまうのだから、まあ楽チンでゴージャズな人生というわけではなかったのだろう。ジャズに大きなインパクトを与えた人であることは間違いないが、大物らしい派手さや煌びやかさには無縁で、どこまでいっても泥臭い。
 にもかかわらず、このひとが静かに椅子に腰掛けて、あいまいに微笑みながら音楽をつむぎ出すところを見ていると、やっぱりウェス・モンゴメリーがいいかな、と思う。なんだかそこには、とても大切なものがある気がするのだ。


 もしぼくがウェス・モンゴメリーになったら、誰も知らない世界の片隅の街角でひとりでギターを弾いてみたい。オクターブ奏法のことなんか何も知らないそこらのにいちゃんがしばらく演奏を聴いていて、それで言うのだ。「おっさん、上手いじゃん」。

 なんかそれで十分だという気がする。
posted by kiwi at 23:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ギター・ベース

2010年02月21日

ファースト・プレイス・アゲイン/ポール・デスモンド


FIRST PLACE AGAIN
First Place Again

ポール・デスモンド(as)
ジム・ホール(g)
パーシー・ヒース(b)
コニー・ケイ(ds)

1959年録音


 文句をいう筋合いではないが、ポール・デスモンドとジム・ホールってのは、ちょっと似合いすぎなんじゃないかという気がしないでもない。似合って何が悪いんだという話ではあるのだけれど、ジャズという音楽ではほころびも味のうちで、ちょっとはみ出しているくらいが楽しい。

 ある意味できすぎなバランスが若干崩れるのが「グリーンスリーブス」。ここではジム・ホールがガット・ギターを弾いていて、珍しく生臭いくらいの存在感を感じさせる。いつもの水のような浸透力が薄れた分、逆にポール・デスモンドの歌が引き立つのだ。でも二人はそっけない。もっと聴いていたいのに、この曲たった2分しかない。
posted by kiwi at 23:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス

2010年02月13日

マイナー・ブルース/ケニー・バロン


マイナー・ブルース
MINOR BLUES

ケニー・バロン(p)
ジョージ・ムラーツ(b)
ベン・ライリー(ds)

2009年録音


 こういうピアノを弾くひとは、珍しくはない気がする。似たようなタイプの何人かの演奏者の中に紛れ込んだら、ぼくにはたぶん、これがケニー・バロンだ、と指摘することはできないだろう。
 だがこのアルバムは良い。バランスよく煌びやかで、ここちよく沁みてくる。大切なのはその点で、それはたぶん「これは○○だ」と指摘できるかどうかよりも重要なのだ、とぼくは思う。そこが大切なのは、たぶん音楽だけではない。
posted by kiwi at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ