2010年09月05日

デューク&バード/アル・ヘイグ

デューク&バード(紙)
DUKE 'N' BIRD

アル・ヘイグ(p)

1976年録音


 アル・ヘイグ氏のソロ・ピアノだ。

 ソロ・ピアノというと、キース・ジャレットとか、ビル・エバンスとか、セロニアス・モンクとか、没頭してどっか行っちゃう系のひとに傑作が多いように思う。そりゃあまあ、徹頭徹尾まったくのひとりの力で数十分の異世界を現出するためには、当人がその世界を信じていなくちゃ難しい。アリスがチョッキを着たうさぎを追いかける代わりに、こんなの変だきっと夢だ、と頬をつねるようなことをしたら、それで不思議の国の扉は閉じてしまう。
 とはいえひとはそれぞれで、素直にうさぎについていっちゃう人ばかりでもない。ではそういう人は不思議の国へは行けないのかというと、そうでもない。
 アル・ヘイグのソロ・ピアノを聴いているとそう思う。

 
 この人の音楽には、どこか頑固なところがあって、君ディナーに招待されたなら正装は当たり前で、ノーネクタイなんかありえないだろう。ちゃんとカラーをつけて、帽子をかぶって行き給え。もちろんステッキも忘れずに、みたいなところがある。といっても堅苦しいばかりじゃなくて、のりの効いた真っ白いハンカチとボタン穴に指す花一輪は決して忘れない。セオリーを遵守しつつ、というよりセオリーを活かして最大限のダンディズムを実現する、というのがアル・ヘイグ氏の行き方なのだ。

 
 これは、ちょっと、かっこいいぞ。
posted by kiwi at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2010年09月05日

フォア!/ハンプトン・ホーズ

フォア!+2
FOUR!

ハンプトン・ホーズ(p)
バーニー・ケッセル(b)
レッド・ミッチェル(b)
シェリー・マン(ds)

1958年録音


 新譜を差し置いて、半世紀前に録音されたアルバムを留保なく気に入る、というのはどうなんだろう、と不安になることがある。自覚はないが、実はぼくは懐古趣味があるんだろうか? それとも、半世紀分進化した今のジャズを、ぼくが理解できないだけなんだろうか? インターネットがよくわからないので毛嫌いするおっさんみたいなもんなのか?

 と思いつつも、このアルバムを聴いているとそんなことどうでもいいや、という気分になってくる。ここにはシンプルで力強い、手で触れるくらいしっかりとした何かがあって、それはぼくをいい気分にさせてくれる。最近の新譜を聴いてもあまりそういう気分にならないのは寂しいけれど、それはそれ、別の問題ではないか。フォア!
posted by kiwi at 03:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ