2011年01月23日

シェ・トゥーツ/トゥーツ・シールマンス

Chez Toots
CHEZ TOOTS

トゥーツ・シールマンス(ハーモニカ)
バート・バン・デン・ブリンク(p)
ヘイン・バン・デ・ゲイン(b)
アンドレ・セカレッリ(ds)


1998年

 こういうのを聴くと、音楽というのは人間のどこに宿っているのだろう、と思う。ぼくらはなんとなく、優れた音楽は何年も修行を積んで取得した卓越した技量の上に成立するんだろうと思っているし、それは間違っていないはずなんだけど、トランペットやバイオリンと違ってハーモニカはフーってやれば音が出るわけだし、小学生だってさいたさいたくらいは吹ける。それとトゥーツ・シールマンスを隔てる決定的なものって、いったいなんなのだろう?
 それがわかったら、たぶん音楽を聴いても面白くないだろうな、という気もするんだけれど。

 ハーモニカで綴るフランス小唄(?)集。歌ありアコーディオンありストリングスありと華やかで、ダイアン・リーヴスとかダイアナ・クラールとかゲストも豪華だ。アルバムタイトルは、「トゥーツのところで」といったほどの意味らしい。
 そうかハーモニカおじさんはフランスの人だったのか、道理で、と思ったが、wikiにはベルギー生まれと書いてあった。別にフランスの人ではないらしい。

2011年01月17日

ローマのナイト・クラブで/ヘレン・メリル

ローマのナイト・クラブで
Parole e Musica

ヘレン・メリル(vo)
ニニ・ロッソ(tp)
ジノ・マリナッツィ(fl)
ピエロ・ウミリアーニ(p)
エンツォ・グリリーニ(b)


1960年録音

 ニニ・ロッソのことを思い出したのでネットで調べていたら、wikipediaに「ジャズ及びイージーリスニングのジャンルで活動した」とあるのでびっくりした。ニニ・ロッソがジャズ? 
 で、さらに調べて二度びっくり。ヘレン・メリルの伴奏をしている。しかもこのアルバム、ぼくは前から知っていて、そのうち聴こうと思っていたのだ。慌てて注文した。

 で、聴いてみて三度びっくりした。「詩の朗読と演奏を組み合わせた」というので、イロモノかと思っていたのだけれどとんでもない。これは聴かなかったぼくが悪い。「ウィズ・クリフォード・ブラウン」から5年。30歳の、目が覚める直前に見る夢のような、手が届きそうで届かない、悶絶もののヘレン・メリルがここにいる。
 申し訳ないがニニ・ロッソはどっかに行ってしまった。

 こういうタイトルだが、ローマのナイト・クラブでのライブ録音、というわけではない。英語で歌う彼女の歌詞を、イタリアのファン向けにイタリア語で朗読する、というスタイルのテレビ番組が受けたので、そのままスタジオで録音した、といういきさつなのだそうだ。原題は「言葉と音楽」という意味で、そのまんま。
posted by kiwi at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ボーカル

2011年01月16日

ニュー・シネマ・パラダイス/ファブリッツィオ・ボッソ

ニュー・シネマ・パラダイス
NUOVO CINEMA PARADISO

ファブリッツィオ・ボッソ(tp,flh)
ピエトロ・ルッス(p)
ルカ・ブルガレッリ(b)


2007年

 なんだか二二・ロッソを思い出した。

 ニニ・ロッソは昔、日本でも大変人気のあったイタリアのトランペッター。毎年クリスマスの頃に日本を訪れて、いま聴くと気恥ずかしいくらいに朗々と歌いあげるトランペットを吹いていた。ぼくの母親が好きで、カセットテープをしょっちゅう聴いていたので、子どものぼくも自然と親しんだ。ぼくの音楽遍歴の原風景と言えるかもしれない。
 二人の演奏が似ているというわけではないが、同じイタリアのトランペッターという以上に、どこか通じるものがあるような気がする。気のせいなんだろうけど。

 ニニ・ロッソも母も今は亡い。でももし母にこのアルバムを聴かせることができたら、なんて言うだろう。やっぱり、「ボッソよりロッソだねえ」だろうか? でもニニ・ロッソが好きだった母は、このアルバムもそれなりに気に入そうな気がする。ついでにハイ・ファイブを聴かせたらなんと言っだろう? 基本的にはクラシックの人で、ピアノソナタをよく聴いていた。

 オリジナル・アルバムのタイトルは「you've Changed」というらしく、Amazonで見るジャケットは日本語盤よりはるかにかっこいい。変更したのは大人の事情(=営業戦略)なんだろうけど、買う側としては残念。内容が変わるわけではないとはいっても。
posted by kiwi at 01:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ラッパ

2011年01月03日

ボス・テナーズ/ジーン・アモンズ&ソニー・スティット

ボス・テナーズ
Boss Tenors

ジーン・アモンズ(ts)
ソニー・スティット(as,ts)
ジョージ・ブラウン(ds)
バスター・ウィリアムス(b)
チャールス・ウィリアムス(b)

1961年録音

 ぼくらの身の回りにあるものは多くが、どうやって作られたのか見当もつかない。たとえばぼくの机の上の置き時計。買えば千円しないのだろうが、文字盤から時針、プラスチックのボディ、24時間正確に時を刻み続ける駆動部から電池に至るまで、どうやって作られているのか想像もできない。そういうものは、自分で同じものを作ることも想像できない。器用とか不器用とか才能がどうこうとかいう以前の問題だ。
 置き時計ですらそうなんだから、iPodだの車だのビルだのとなった日にゃ、もう想像すらできない。もういっそ、神様がお与えくださった、とか、夜中に小人の妖精が集まって作ってる、と言われたほうが納得がいく。

 一方、そんなに数は多くないけれど、どうやって作られたか見当のつくものもある。
 たとえば料理。たとえばシンプルな食器。壁にかかった絵。庭木。きれいな釣竿。服。熱帯魚水槽の中の小さい生命圏。それから音楽。

 そういうモノに惹かれるのは、そんなに不思議なことじゃないと思う。つまりはそれはぼくらにとって、ひとの腕と指によって作られた、こちらの世界のものだからだ。なんかほっとして、で、ひとの姿が見える分、その凄さに気がつくのだ。

 古いジャズが好きなのはそのせいなのかもしれないと思う
posted by kiwi at 23:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス