2011年03月22日

1956年5月、慕情/ライオネル・ハンプトン

1956年5月、慕情
Jazz In Paris - Mai 1956


ライオネル・パンプトン(Vib)


1956年5月録音

地震から10日。

あれから家にいるときはもちろん、仕事中もNHKをつけっぱなし。移動中もTwitterとネットニュースを巡回して情報を仕入れ、各地の惨状を見聞きしたり、友人知人の安否を確認したり、原発のことを調べたり、各地の放射線量をチェックしたりしていた。電車は来たり来なかったり、停電があったりなかったり、店はやってたりやってなかったり、品物はあったりなかったり。余震はしょっちゅうで、枕元には靴。

で、何もしてないのに、くたびれた。
寝てても頭の中で枝野長官が記者会見してるし、なんだかゆらゆら揺れている気がするし。
そういえば、音楽もしばらく聴いてない。そう気づくまでにずいぶんかかった。

で、気休めのつもりで、最初に聴いたのがこれ。
効いた。起き抜けに熱いシャワー浴びた感じ。まあ、起き抜けにシャワーなんか浴びたことないんだけど。
邦題は妙に湿っぽいが、中身はハッピーで脳天気。ビッグバンドではなくてほぼライオネル・パンプトンの独壇場。ご機嫌な音楽と、ご機嫌な(本人が)ライオネル・パンプトンの唸り声に、思わずにやついてしまった。ピアノもすごい。これ本人なんだって?

そうだった。
この世界は、地震と津波と原発と枝野長官だけでできているわけではないのだった。
ライオネル・パンプトンの音楽はいまもそこにある。サッチモも、ミルト・ジャクソンもアート・ブレイキーもビル・エヴァンスもちゃんとある。そういやこないだディスクユニオンとAmazonで、たんまりCDを買い込んだとこだ。ちらっと聴いてみたらかなり当たりがありそうだっだ。バッキー・ピザレリ(ジョン・ピザレリの親父)のギターもよさそうだし、ギド・ヌマサルディって変な名前のひとのピアノトリオもなかなかだった。コンボものでも楽しそうなのが何枚か。まだ知らない素敵盤がいったい何枚あることか。
そういえばもう1〜2週間のうちには桜が咲く。あ、ミモザが咲くのを合図にケーキ食いに行く約束もしてたっけ。つーことはもうひと月でタケノコがにょきにょき生え出す。渓流釣りのシーズンもすぐに本番だ。あ、そうだ。「坂道のアポロン」の7巻を読むんだった。

ここしばらく、ぼくがこの災害に対してやった何か意味のあることといえば募金くらいで、あとはおろおろ心配してただけだ。ちりも積もればというが、ぼくの心配は心配のままなら積もってもなんにもならない。せいぜい胃潰瘍の元になるくらいだろう。

目にした映像のいくつかは、死ぬまで忘れないだろう。
心配事だって、まだまだこれからだ。
でも世界にはよきものも、またある。
どんなにつまらないことでも、それを思い出すのは、けっこう大切なんじゃないかと、ぼくは思う。
だからこそ、ぼくらはこの世界を守りたいと思うのだから。
posted by kiwi at 00:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | ヴァイブ