2011年10月31日

フィール・ソー・グッド/チャック・マンジョーネ

フィール・ソー・グッド
feels so good

チャック・マンジョーネ(flh)
グラント・ジスマン(g)
クリス・バダラ(ss,ts,fl,他)
チャールス・ミークス(b)
ジェームス・ブラッドレイjr(d)

1977年

 ぼくは50年代、60年代のジャズはリアルタイムでは聴いていない。ジャズ喫茶の世代にも間に合わなかった。では同時代的に聴いていたのは何か、というと、このあたり、フュージョンなのだった。チャック・マンジョーネ、ハーブ・アルバート、渡辺貞夫、日野皓正、デイブ・グルーシン・・・
 そういう時代だった。60年代の終わりから70年代にかけての世の中の喧騒も落ち着きはじめ、えーと、なんかしなくちゃならなかったんでしたっけ? みたいなあの時代。まあ、世の中がどうこう言うよりは、ぼく自身が、一番のほほんと暮らしていた時期だった。ことさらに何かを疑うこともなく、嘘をつく必要もなかった。そんな時代にチャック・マンジョーネのフリューゲルホルン。誰にでもある、ある時代のアイコン、BGMみたいなものだった。

 今聴くと、春先の街角のショーウィンドウみたいにポカポカしてて、清潔で、人の匂いがしない。でもまあ、それはそういうものなのであって、音楽がみんなキリキリしていて、ムンムンしてて、汗と血の匂いが満ちてなくちゃいかん、というのも困る。これはこれでいいのだ。音楽にも、人間にも、そういう時代はきっと必要なんだと思う。
posted by kiwi at 22:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ラッパ

2011年10月30日

イン・タウン/オイゲン・キケロ

イン・タウン
IN TOWN

オイゲン・キケロ(p)
ペーター・ウィッテ(b)
チャーリー・アントリーニ(ds)

1965年録音



 前に「オイゲン・キケロがごりごりのジャズを演っているアルバムがあるなら聴きたい」と書いたことがあるが、どうやらこれがそうらしい。探しても見つからず、そのまま忘れていたんだけれど、たまたま立ち寄ったディスクユニオンのカウンターに置いてあった。こういうのは嬉しい。人生にはときどき、こういうことが起こる必要がある。できれば週1くらいのペースで。

 気分よく買ったせいもあるのかもしれないが、気分のよいアルバムだった。たまたま、天気の良い秋の朝、妻と犬を乗せ、山の中の釣り場に向けて走る車で聴いたのだけれど、輪郭のはっきりした、ぴょんぴょん跳ねる音が、車の中で食うおにぎりなんかにも似合っていた。そのあと続けて「ロココ・ジャズ」なんか聴いてみたんだけど、こっちはなんだかせわしなくてご飯粒が鼻に入ったりした。不思議なものだ。

 たぶんお客さんが納得しないのだろう、お得意の「クラシックのジャズ化」も入ってて、それでなくてもオイゲン・キケロが演奏するんだから「ごりごりのジャズ」にはならないのだが、とはいえお色気たっぷり、サービス満点のクジャクみたいなこういうピアノも悪くない。で、またぞろ「オイゲン・キケロのジャズアルバム」を探してみたが、やっぱり見つからないのだった。

 この人がブルース演ってるアルバムってないかなあ。
posted by kiwi at 11:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | ピアノ

2011年10月27日

テイク・テン/ポール・デスモンド

テイク・テン
TAKE TEN


ポール・デスモンド(as)
ジム・ホール(g)
ジーン・チェリコ(b)
コニー・ケイ(ds)

1963年録音

ぼくはポール・デスモンドとジム・ホールのアルバムは、60年代くらいの、暗い、会話禁止の本格ジャズ喫茶で、眉間にしわ寄せて、怖い顔をして聴くといいんじゃないかと思う。リクエストしたら追い出されそうだけど。
この二人を組ませたプロデューサーの目論見はよーくわかるんだけど、BGMとして聴いているだけじゃもったいない気がするのだ。

ハマりすぎ、ころころ転がりすぎってのも、ある意味罪だ。そういう意味では、ポール・デスモンドとデイブ・ブルーベックのでこぼこチームは、でこぼこだったところに味があったんだな、と思う。
posted by kiwi at 23:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス