2011年11月13日

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン
DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRAIN

ジョン・コルトレーン(ts,ss)
デューク・エリントン(p)
ジミー・ギャリソン(b)
アローン・ベル(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)
サム・ウッドヤード(ds)

1962年録音

子どものころ、Q&A形式の自己紹介を書かされるとたいてい、「将来なりたいもの」「尊敬するひと」という欄があった。なりたいもの、はその時々で適当なことを書いていたけれど、「尊敬するひと」はシートン、と書くことに決めていた。シートン動物記のシートン。
尊敬というより、ただ好きで、こういう風になりたいな、と思っていただけだったんだけど。そういや「行ってみたい所」も「ロッキー山脈」だったっけ。ほかの連中が「野口英世」とか「お父さんお母さん」とか書いていたのがなんだかちょっと不思議だった。

コルトレーンが尊敬するひとの欄に「デューク・エリントン」と書いていたかどうかは知らない。が、どう思っていたかはこのアルバムを聴くとなんとなくわかる。コルトレーンがかわいいのだ。リラックス、というより安心感というのだろうか。二人の間に流れるとつとつとした時間の感覚が好きだ。コルトレーンは基本苦手というぼくみたいのにも、このアルバムはいける。
二人の年は親子ほども違うが、このオヤジはアバンギャルドも平気で受け入れる。「こういうことなんだろ、ジョン」「はい!そうですお父さん!」みたいなやりとりもあって楽しい。いいなあこういうオヤジ。

ところで今、「尊敬するひと」って言われたらぼくはどう書くだろう?
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2011年11月13日

エラ・アット・ジ・オペラ・ハウス/エラ・フィッツジェラルド

エラ・アット・ジ・オペラ・ハウス+9
ELLA AT THE OPERA HOUSE

エラ・フィッツジェラルド(vo)
オスカー・ピーターソン(p)
ハーブ・エリス(g)
レイ・ブラウン(b)
ジョー・ジョーンズ(ds)


1957年録音

以前、妻に、「スイングってどんなの?」と聞かれて困ったことがあったけれど、今度このアルバムの"Stompin' at the Savoy"あたりを聴かせてみようかと思った。なんか変な勘違いをされそうな気もするけれど、それはそれでもいいのだ。こういうエネルギーをどういう名前で呼ぼうと、それは音楽の持つ根源的な力であることは変わらないし、またそれは人間の生きるちからそのものに直結している。こういう音楽に飛び上がって拍手しちゃう力と、春先に萌えでた若葉にうきうきする力と、綺麗な女の子に口笛を吹きたくなる力と、美味いラーメンの汁まで飲み干しちゃう力は、きっと同じものなんだろうと思う。
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2011年11月04日

ジャズU.S.A/ソニー・クリス

ジャズU.S.A.
JAZZ - U.S.A

ソニー・クリス(as)
ケニー・ドリュー(p)
バーニー・ケッセル(g)
ビル・ウッドソン(b)
チャック・トンプソン(ds)

1953年録音

子どものころ、大工さんが材木にカンナをかけているのを、ずっと眺めていたことがある。大工さんがカンナを動かすたびに、薄くて長いカンナくずが飛び出してくるのが、まるで材木から水が噴き出しているみたいだった。迷いのない大工さんの動きがかっこよかった。かんなくずはそのまま食べられそうにきれいで、大工さんにもらっていいか聞いた覚えがある。食べなかったけど。
ソニー・クリスを聴いていたら、そのときのことを思い出した。

ソニー・クリスのかっこ良さは、腕のいい職人が、よい道具から可能性のすべてを引き出しているかっこ良さだ。
アルト・サックスを発明したひとは、ソニー・クリスの演奏を聞いたら泣いて喜ぶだろう。これだけ鳴らしてもらえば楽器も本望だろうし、もちろん演奏している本人も楽しいに違いない。

まあ、ちょっと凄すぎる、という一面もなくはない。

たとえば釣り旅から帰って来て、明日からまた満員電車に乗って仕事にいかなくちゃ、という日曜日の夜に、ちょっと気分を変えようとソニー・クリスを聴いたりすると、逆に疲れてしまうことがある。そういうときにはたぶん、どこか間が抜けていて、うんうん、お互いがんばろうね、みたいな気分になる音楽が向いているのだ。

もちろんそれは、ソニー・クリスの音楽の罪じゃない。そういうタイプの音楽ではない、というだけの話だ。だがぼくは、時々、この人もうちょっと間が抜けてもいいんじゃないだろうか、と思う。そうなったら、もっと凄いんじゃないか、という気がするのだ。変な言い方だけど。
posted by kiwi at 00:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス