2011年12月23日

キング・オブ・ザ・テナーズ/ベン・ウェブスター

King of the TenorsKing of the Tenors

ベン・ウェブスター(ts)
オスカー・ピーターソン(p)
ハーブ・エリス(g)
バーニー・ケッセル(g)
レイ・ブラウン(b)
J・C・ヘアード(ds)


1953年録音

「Tendary」「Danny boy」「When I Fall In Love」などのバラードがやたら沁みる。甘い酒はいい気になって飲み過ぎるとあとでえらいことになるが、こういう音楽も似たような副作用がありそうな気がする。でもクリスマスだからまあいいか。

ぼくは昔からクリスマスのうわついた感じが嫌いではない。とんがり帽子かぶってクラッカー鳴らして、という柄ではないけど、人気が消えた終電後の駅前でぽつんと点灯しているクリスマスツリーとか、マフラー巻いて白い息吐きつつ見上げるクリスマス仕様のショーウィンドウとか、そういうものが好きなのだ。そういう、うれし淋しいみたいな雰囲気は、正月飾りにはあまり感じない。

今年のクリスマスツリーは「Danny boy」を流しながら見に行ってみようか。
posted by kiwi at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | サックス

2011年12月18日

ライト・アズ・ア・フェザー/チック・コリア

Light As a FeatherLight As a Feather

チック・コリア(p)
フローラ・プリム(vo)
ジョー・ファレル(fl,ss,ts)
スタンリー・クラーク(b)
アイアート・モレイラ(ds)

1972年録音

このアルバムを初めて聴いたのは、もうずいぶん昔のことだ。「カモメ」のリターン・トゥ・フォーエヴァーにびっくりして、次回作も聴いてみたいと思ったのだ。タイトルとジャケットを見て期待していたのだけれど、実際聴いて一作目ほどじゃないな、と思ったのを覚えている。全体的にわかりやすく、ポップになった分、「カモメ」にあった不思議な胸騒ぎみたいなものが、あまり感じられないように思えたのだ。思った以上に賑やかだったのも意外だった。この印象は今もあまり変わっていない。で、このアルバムで印象の強いのは名曲のほまれ高い「spain」ではなく、不思議感覚の残っているタイトル曲だったりする。

このあと、チック・コリアは黄金時代に突入して、綿密かつダイナミックな組曲風の傑作を矢継ぎ早に世に送ることになる。ぼくはそれを大喜びで受け入れたが(リアルタイムに、ではないけれど)、その一方で、初期のリターン・トゥ・フォーエヴァーにあった、奇妙で不思議な味わいは薄れていった。たぶんそれは、大勢が行列をして訪れる、煌びやかな名店で出すものではなかったのだろう。

でもそれはそれとして、ぼくは1枚目や2枚目のこのアルバムを聞くたびに、遠くに懐かしい人影を見るような気がする。その人はぼくのよく知っている誰かなんだけど、名前をどうしても思い出せない。近づくこともできない。ただ遠くに影が見えるだけ。そんな不思議なもどかしさを思い出すのだ。
posted by kiwi at 22:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2011年12月04日

アコースティック・ライブ/ヨショ・ステファン

Acoustic Live
acoustic live

ヨショ・ステファン(g)
ギュンター・ステファン(g)
マックス・シャーフ(b)
セバスチャン・レイマン(vln)
ほか

2005年録音

隣家のご隠居にもらって植えた庭のみかんの木が、去年から実を付けるようになった。木の高さもまだ背の丈くらいで、みかんの数だって知れたものだけれど、ちゃんとみかんの形で、みかんの味がする。あたりまえじゃねえかと言われればあたりまえなんだが、八百屋で買うのと同じ味のみかんが、自分の庭で木になっているというのはなんだか不思議だ。
八百屋のみかんは金を出して買う「商品」であり、自分の庭のみかんの木は自然のいきものだ。商品は甘くてあたりまえの気がするけれど、木に自然になった実が同じように甘いのは、ちょっとした奇跡みたいな気がするのだ。

音楽を聴いていても、同じように感じることがある。
おとの向こうにひとの呼吸や指のスピードを感じるとき、ああ、そうだ、これはひとががんばって作っている音楽なんだ、ということを思い出して、妙に感動したりする。音楽の本質とはあまり関係ない気分の問題に過ぎないのだけれど、ぼくにとってはけっこう大事だ。

ジャズが好きなのはそのせいなのかもしれない。
posted by kiwi at 10:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ギター・ベース