2013年12月23日

アローン・トゥゲザー/ジム・ホール&ロン・カーター

Alone TogetherAlone Together

ジム・ホール(g)
ロン・カーター(b)

1972年録音

「アランフェス協奏曲」にしても、「アンダーカレント」「アローン・トゥゲザー」にしても、「ジム・ホールのアルバム」という感じがしない。演奏者の多いアランフェスはともかく、じゃあ「アンダーカレント」はビル・エバンスの、「アローン・トゥゲザー」はロン・カーターのアルバムなのか、と言われると、そういうわけでもない。ビル・エバンス&ジム・ホールの、ジム・ホール&ロン・カーターのアルバムだとして言いようがない。
演奏も名前も地味な、根っからの伴奏者。ジム・ホール。

囲炉裏のまわりで訥々と昔話を語っているみたいなこのアルバムを久しぶりに聴いて、ふと、ジム・ホールがみんなに聴かせたかったのは「ジム・ホール」ではなくて、「ミュージック」だったのではないか、と思った。昔話を語る人の名前は残らず、語られた昔話が何年も、何十年も人々の間に残っていく。ジム・ホールの音楽はそういうものだったのではないか。
ねえ、そうだったんですよね? ジム。
posted by kiwi at 23:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ギター・ベース

2013年12月07日

煙が目にしみる/エディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトン

煙が目にしみる
SMOKE GETS IN YOUR EYES

エディ・ヒギンズ(p)
スコット・ハミルトン(ts)
スティーブ・ギルモア(b)
ビル・グッドウィン(ds)

2001年録音

仕事の相棒とか、ルームメイトとか、漫才の相方とか、なんでもいいのだけれど、ある程度の期間それなりに濃い付き合いをすることになる相手を、自分で選べることになったとする。でもあらかじめ相手に会うことはできず、知らされる情報は相手の好きなアルバムのみ、ということになったとしたら、どうすべきか。
たとえばマイルスの「ビッチェズ・ブリュー」を挙げた相手は若干やばいのではないか。
チェット・ベイカーの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はちょっと頼りなくないか。
コルトレーンの「至上の愛」の人は説教を始めるのではないか。
アーネット・コブの「チタリン・シャウト」は勢いはあるけれど乱暴者なのでないか。

というバカなことを考えたのは、エディ・ヒギンズとスコット・ハミルトンの組んだこのアルバムを挙げたひとなら、そう大外しはしないのではないかという気がしたからだ。人柄は穏当で、会社や学校にちゃんと通っており、どういう相手とも(クラシックやパンクの人とも)気軽に世間話ができるだろう。近所の評判もよく、年賀状なんかもマメに出している。少なくとも表向きは、変態的な深みにハマっていることもなさそうだ。かといって俗物というわけではなく、無二の親友になれるかどうかはまた別の話だが、お見合いならば、まずは会ってみて、というところまではトントン拍子に話が進みそうだ。

ぼくの知り合いにも何人かそういうタイプの人がいるけれど、それはけっこう偉大なことだよなあ、と思う。


posted by kiwi at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ