2013年08月18日

ミルト・ジャクソン/ミルト・ジャクソン

ミルト・ジャクソンMilt Jackson

ミルト・ジャクソン(vib)
セロニアス・モンク(p)
ルー・ドナルドソン(as)
ジョン・シモンズ(b)
アート・ブレイキー(ds)


1948/1952年録音

楽しみにしていた山本玲子の「テンパス・フィジット」が届いたので何回か続けて聴いたのだが、なんかだかむずむずして我慢できなくなり、続けてミルト・ジャクソンを聴いてしまった。
別に悪いことをしているわけではないが、なんだか若干後ろめたい。
好みの問題なんだろうれど、ぼくには何かが足りない。

ときどきこういう経験をする。新しいアルバムを聴いて、かゆいところのすぐ脇を掻かれたような気分になり、「ストライク」を聴きたくなる。そのくせ、ストライクとそうじゃない音楽のどこが違うのか、はっきり説明することができない。言葉できちんと説明できたとしたらそれは音楽じゃない、という気もするんだけれど。

ぼくの好きなジャズという、なんかぼんやりとした芯みたいなものがあるんだろうなあ、と思う。たぶんこのアルバムや上原ひろみ(3枚買ってあきらめた)はそこから外れているのだろう。やっかいなことに、それがどんな形をしているのが自分でもよくわからない。わかったとしても、理屈ではそこにハマるはずの音楽がなぜか気に入らなかったり、逆にそれは大外れだろ、と思う音楽が好きになったりするのである。まあ、だから面白いんだけど。
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2013年07月21日

ザ・グレイテスト・リユニオン/ミルト・ジャクソン&オスカー・ピーターソン・トリオ

ザ・グレイテスト・リユニオン
Ain't But a Few of Us Left

ミルト・ジャクソン(vib)
オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
グラディ・テイト(ds)

1981年録音


 ネット経由でデータで音楽が買えるようになって、これは便利だと思ったこともあったけれど、ぼくは結局いまもCDで買い続けている。CDがバックアップ代わりになるから、とか、ジャケットやライナーノーツが欲しいから、といったもっともらしい理由もないことはないが、要するにぼくは淋しいのだろうと思う。音楽がCDという依代を失ってしまうことについて。
 
 音楽はもともと形のないものだが、レコードやCDという媒体に吹き込まれることで形ができる。見たりなでたり匂いを嗅いだり、抱いて寝ることだってできる。つまりはそれは、音楽の依代なのだ。音楽の本質とは直接関係ないけれど、依代にはそれなりの意味があるとぼくは思う。

 依代はスマートだとかえって有り難みがない。レコードからCDの時代になって、ジャケットを眺める楽しみはなくなってしまった。近いうちにCDも消えていく。音楽がデータとしてネットワークの中に遍在する時代、音楽との付き合い方は多少変わってくるのではないだろうか? 小遣いではじめてのレコードを買ったときのことや、友達とレコードの貸し借りをしたことをぼくは今でも覚えているけれど、ネット時代でもああいうドキドキは変わらないのだろうか?
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2011年03月22日

1956年5月、慕情/ライオネル・ハンプトン

1956年5月、慕情
Jazz In Paris - Mai 1956


ライオネル・パンプトン(Vib)


1956年5月録音

地震から10日。

あれから家にいるときはもちろん、仕事中もNHKをつけっぱなし。移動中もTwitterとネットニュースを巡回して情報を仕入れ、各地の惨状を見聞きしたり、友人知人の安否を確認したり、原発のことを調べたり、各地の放射線量をチェックしたりしていた。電車は来たり来なかったり、停電があったりなかったり、店はやってたりやってなかったり、品物はあったりなかったり。余震はしょっちゅうで、枕元には靴。

で、何もしてないのに、くたびれた。
寝てても頭の中で枝野長官が記者会見してるし、なんだかゆらゆら揺れている気がするし。
そういえば、音楽もしばらく聴いてない。そう気づくまでにずいぶんかかった。

で、気休めのつもりで、最初に聴いたのがこれ。
効いた。起き抜けに熱いシャワー浴びた感じ。まあ、起き抜けにシャワーなんか浴びたことないんだけど。
邦題は妙に湿っぽいが、中身はハッピーで脳天気。ビッグバンドではなくてほぼライオネル・パンプトンの独壇場。ご機嫌な音楽と、ご機嫌な(本人が)ライオネル・パンプトンの唸り声に、思わずにやついてしまった。ピアノもすごい。これ本人なんだって?

そうだった。
この世界は、地震と津波と原発と枝野長官だけでできているわけではないのだった。
ライオネル・パンプトンの音楽はいまもそこにある。サッチモも、ミルト・ジャクソンもアート・ブレイキーもビル・エヴァンスもちゃんとある。そういやこないだディスクユニオンとAmazonで、たんまりCDを買い込んだとこだ。ちらっと聴いてみたらかなり当たりがありそうだっだ。バッキー・ピザレリ(ジョン・ピザレリの親父)のギターもよさそうだし、ギド・ヌマサルディって変な名前のひとのピアノトリオもなかなかだった。コンボものでも楽しそうなのが何枚か。まだ知らない素敵盤がいったい何枚あることか。
そういえばもう1〜2週間のうちには桜が咲く。あ、ミモザが咲くのを合図にケーキ食いに行く約束もしてたっけ。つーことはもうひと月でタケノコがにょきにょき生え出す。渓流釣りのシーズンもすぐに本番だ。あ、そうだ。「坂道のアポロン」の7巻を読むんだった。

ここしばらく、ぼくがこの災害に対してやった何か意味のあることといえば募金くらいで、あとはおろおろ心配してただけだ。ちりも積もればというが、ぼくの心配は心配のままなら積もってもなんにもならない。せいぜい胃潰瘍の元になるくらいだろう。

目にした映像のいくつかは、死ぬまで忘れないだろう。
心配事だって、まだまだこれからだ。
でも世界にはよきものも、またある。
どんなにつまらないことでも、それを思い出すのは、けっこう大切なんじゃないかと、ぼくは思う。
だからこそ、ぼくらはこの世界を守りたいと思うのだから。
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2009年08月23日

ライオネル・ハンプトン・クインテット


Lionel Hampton Quintet: Vme
The Lionel Hampton Quintet

ライオネル・ハンプトン(vib)
バディ・デフランコ(cl)
オスカー・ピーターソン(p)
レイ・ブラウン(b)
バディ・リッチ(ds)

1954年録音


 これ、ライブ録音・・・じゃないよな?

 ルイ・アームストロングやライオネル・ハンプトンを聴いているとときどき思うのだけれど、こういう音楽の作り手がいて、またそれが無条件に受け入れられていた時代というのは、まあいろいろあるにしてもとりあえず音楽的にはいい時代だった、と言い切ってしまっていいんじゃないだろうか。無邪気だとか、苦労知らずだとか、単純だとか、言おうと思えばいろいろ言えるわけだけれど、まあそういうことはこっちにおいといて、とりあえず聴いてけや、な? といえるだけの迫力を音楽が持っていた、というのはやっぱり凄いことだと思う。
 ユーミンの歌に「小さいころは神様がいて」という一節があるけれど、シンプルだからこそ見えるものもあるのだ。

 それにしてもハンプトンおやじ、燃えまくり。
 おっさん、おっさん、ちょっと、おい。
 おーい、人の話聞いてる? ねえ、ちょっと。すみませーん。
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2009年08月01日

ユー・ベター・ノウ・イット!!!/ライオネル・ハンプトン


ユー・ベター・ノウ・イット!!!
You better Know it!!!

ライオネル・ハンプトン(vib,p,vo)
クラーク・テリー(tb)
ベン・ウェブスター(ts)
ハンク・ジョーンズ(p)
ミルト・ヒントン(b)
オシー・ジョンソン(ds)

1964年録音


 ライオネル・ハンプトンのときどき木琴みたいに聴こえるヴァイブと、脳天気なおっさんボーカルに加え、のんきな曲目ばかりのせいもあって、とっても太平楽な感じのする1枚。楽しいし、こういうのもいいなとは思うのだけれど、陰影のない風景画みたいにどこか現実離れしていて、それだけだったらそうしょっちゅうは聴かないだろう。
 ただ一曲、「A Taste of Honey」にハマってしまい、こればっかりサルのように繰り返し聴いている。こういうの前にもあったな、と思ったら、同じライオネル・ハンプトンの「スターダスト」だった。
 そういや「スターダスト」のときも、あわてて手当たり次第にライオネル・パンプトンを何枚か買ったのだが、どれもいまひとつピンと来なかった。どうもライオネル・パンプトンの音楽には、ぼくを蹴飛ばす成分が含まれているのだけれど、それがいつも発動するわけでもないらしい。

 どうしてなのかはぼくにもわからない。曲想なのか、演奏の方向性なのか、ノリなのか。緊張感とか、陰りとか、いくつか一般論に近い条件は思いつくけれど、そういうものを組み合わせても「ぼくの好きな音楽」にはならないのは目に見えている。

 だから、音楽は面白いんだな。
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2009年01月24日

ソウル・フュージョン/ミルト・ジャクソン&モンティ・アレキサンダー


ソウル・フュージョン(紙ジャケット仕様)
Soul Fusion

ミルト・ジャクソン(vib)
モンティ・アレキサンダー(p)
ジョン・クレイトン(b)
ジェフ・ハミルトン(ds)

1977年録音


 多くのひとにとって、ミルト・ジャクソンの名前はMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)と結びついているのではないかと思うが、ぼくにとっては必ずしもそうではない。MJQは好きだが、純粋にミルト・ジャクソンを聴きたいときに取り出すのはむしろそれ以外のアルバムだったりする。それはたぶん、一番最初に聴いたミルト・ジャクソンが、このアルバムだったことと無関係ではない。

 それはジャズを聴き始めたころで、どういうきっかけでこのアルバムを手に取ったのかはよく覚えていない。モンティ・アレキサンダーはもちろん、ミルト・ジャクソンが何者かも知らなかった。だいたいヴァイブというのがどういう楽器かもよくわかっていなかったんじゃないだろうか。そんな、生まれたてのサルみたいにまっさらな初心者小僧に、この音楽は強烈に食い込んだ。なにしろ、この音楽を楽しむためには何の技術も努力も必要ないのだ。まるで流行歌のようにスムーズに、でも明らかに流行歌とは異なる滋養がするすると入ってくる。これは新鮮な驚きだった。しかも曲のメリハリが効いていて、強烈に身体を揺さぶるドライブ感から、足元からじわじわと暖かくなってくるようなブルースの感覚まで体験できる。ジャズの面白さを知るには絶好のアルバムだったと今でも思う。
 おかげであとでMJQに出会ったとき、最初は地味に聴こえて、いまひとつピンとこなかった。味の濃いカレーを食ったあとで、よい紅茶を飲んでも味がよくわからない。


 いまではぼくも、MJQのミルト・ジャクソンも十分に楽しめるようになったけれど、このアルバムは今も変わらずぼくの名盤の1枚だ。おりに触れて聴いては、あのときのびっくりが薄れていないことを確かめるのは、ぼくにとってはちょっとした儀式みたいなものになっている。で、そのたびにミルト・ジャクソンはもちろん、江戸前職人みたいに勢いと抑制を併せ持つモンティ・アレキサンダーに聴き惚れるのだ。
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2008年10月11日

バグス・ミーツ・ウェス/ミルト・ジャクソン&ウェス・モンゴメリー


バグス・ミーツ・ウェス+3 [SHM-CD]
Bags Meets Wes!

ミルト・ジャクソン(vib)
ウェス・モンゴメリー(g)
ウィントン・ケリー(p)
サム・ジョーンズ(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1961年録音



 iPodのすごいところは、「やたらたくさん入る」「持ち歩ける」ことだけれど、もうひとつ、「目当てのアルバムを一瞬で引き出せる」点を忘れちゃいけない。とくにぼくのように先天的に整理整頓の能力に問題があって、一度レコード棚にアルバムを放り込んだら最後次に会えるのはいつのことか、みたいな音楽生活を送ってきたものにとっては、デジタルオーディオのこの能力は福音といっていい。
 iPodではアルバムをジャンルやアーティストで分類しておき、たとえば、

jazz:ピアノ

ビル・エバンス

ポートレート・イン・ジャズ

といった案配に目当てを探すようになっている。便利だ。

 だが、iPodのこの機能も万全ではない。1枚のアルバムに1人の名前しか設定できないので、デュオや双頭コンボの名盤が、どちらか一方の名前でしか探せなくなってしまうのだ。たとえばビル・エバンスとジム・ホール。チック・コリアとゲイリー・バートン。チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピー。チェット・ベイカーとアート・ペッパー。エラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロング。どちらの名前を登録すべきか、悩んでいるとハゲそうだ。

 個人的なコレクションでクレジットの順番にこだわるのも味気ないし、どちらかを選ばなくてはならないのなら、好みや思い入れで決めるしかないのだけど、ぼくにとってはミルト・ジャクソンとウェス・モンゴメリーの組み合わせというのがまた微妙で、大変悩ましい。このふたりの音楽は、似ているようでやっぱり違う。ミルト・ジャクソンが聴きたくなることもよくあるし、ウェス・モンゴメリーの気分になることも多い。そしてどちらの場合も、このアルバムに行き着くとほっとする。
 というわけで、ぼくはふたりの美女の間で揺れ動く優柔不断な色男みたいに、このアルバムの分類をときどき変えたりしているのだけど(ちなみに今はミルト・ジャクソンになっている)、いい方法を知っている人がいたら教えてください。
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2008年05月26日

ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス/エディ・コスタ


ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス(紙ジャケット仕様)
Guys And Dolls Like Vibes

エディ・コスタ(vib)
ビル・エバンス(p)
ウェンデル・マーシャル(b)
ポール・モチアン(ds)

1958年


 長くジャズを聴いていると、メジャーとはいえないけれど気になるアーティストができるものだ。映画ファンにひいきの脇役ができるのに似ている。ぼくにとってはエディ・コスタがそういうひとだ。
 エディ・コスタという名前を知らないひとは、ジャズ・ファンでも珍しくはないだろう。ピアノとヴァイブの両刀使いで、将来を嘱望されながら交通事故で31歳で亡くなった。脇役としての活躍が主で、リーダーアルバムは数えるほどしかない。
 いままで紹介したアルバムでは「タル」、シェリー・マンの「2 3 4」で妙に存在感のある脇役ぶりを発揮している。が、圧巻はやはり、「ハウス・オブ・ブルーライツ」だろう。ピアニストとして唯一のリーダー作で、一度聴いたら忘れない、不思議な雰囲気のあるアルバムだ。
 もし長生きしていたら、その後どんな音楽を創り出しただろうと思うと、なんだか悔しい。たぶん本人も悔しかっただろう。


 早世したが、優秀なスタジオ・ミュージシャンとして重宝がられ、参加したアルバムの数はけっこう多い。本人も、家族のために稼がなくちゃならないんだ、としゃかりきに仕事をしたらしい。ぼくはそういうのをおりにふれて探し出しては聴いてみる。あまり印象に残らないのもあるけれど、ああ、エディ・コスタだ、と思うのもある。ぼくはひょっとしたら、彼の遺した音楽から、「ハウス・オブ・ブルーライツ」の先を想像しようとしているのかもしれない。意味があることとは思わないけれど、誰に迷惑をかけるわけでもないから、まあいいか。


 このアルバムはヴァイブのほうのリーダー作だ。エディ・コスタの個性はピアノのほうで強く出るようで、ヴァイブは淡々と抑え気味、小気味よくスイングしているが、小さくまとまっている感じは否めない。ヴァイブのほうでも「ハウス・オブ・ブルーライツ」みたいにやりたい放題やったらどんなだったろう。聴いてみたかった。
 実はこのアルバムで気になったのはピアノだった。ヴァイブ同様抑え気味ですましているけれど、時々ちらりと見知らぬ顔を見せるようなところがあって、どこか不穏な感じがする。最初はエディ・コスタがピアノも弾いているのかな、と思ったが、いくらなんでもそれは無理だ。で、参加者をもう一度調べたら(このアルバムはiTunesで買ったのでライナーノートなどがないのだ)、ビル・エバンスだった。

 ビル・エバンスって、あのビル・エバンスだよな?
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2008年02月23日

フィーリングス/ミルト・ジャクソン


Milt Jackson & Strings
Milt Jackson and Strings

ミルト・ジャクソン(vib)
レイ・ブラウン(b)
トミー・フラナガン(p)
ヒューバート・ロウズ(fl)


1976年録音



 モダン・ジャズという音楽は、多かれ少なかれ難しい。いつでもどこでもだれとでも、というわけにはいかないし、正直どこがいいのか見当もつかない、という演奏だって珍しくはない。が、音楽と真摯に対峙しさえしていれば、いつかは報われるもので、井戸から水があふれ出すように、その音楽の深いところに潜んでいた汲めども尽きぬ滋養に気が付く日がきっとやってくる。だから努力と修行を厭ってはならない・・・なんてことを考えながら音楽を聴いていると、たまにがくっと膝が砕けるような演奏に出会うことがある。このアルバムなんか、そうだ。


 甘いもの厳禁のダイエットを敢行中に、魔が差して極上のフルーツパフェをたらふく食ってしまったとか、山ごもり千日行の修行僧がなぜかビキニ美女軍団のビーチ・バーベキュー・パーティに巻き込まれてしまったとか、そういう感覚に近いのではないだろうか。うおお、こんなことでいいのか。


 ストリングスとフルートの甘く優しいフレームに彩られつつも、こぼれ落ちてくるのは匂い立つようなジャズのエッセンスで、本当にもう、こういうのは困るのである。
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2008年02月11日

ビック3/ミルト・ジャクソン


Big 3
The Big 3

ミルト・ジャクソン(vib)
ジョー・パス(g)
レイ・ブラウン(b)

1975年録音



 用心していたのに風邪を引いたらしい。頭痛とのどの痛み。若干熱っぽい。咳はそんなでもないが、鼻がつまって息ができない。こじらせたらやっかいなので、せっかくの連休を温かく、湿った(加湿器で)わが家に閉じこもって暮らす。
 さて、こんな夜には何を聴くべきか。


 体調が悪いのだからさっさと寝ろ、ということなのかもしれないが、普段だって音楽を聴く時間がたっぷりあるわけじゃない。ただ寝ているのはもったない。音楽を聴いて風邪が悪化することもないだろう。
 が、もちろん、なんでもいいわけではない。ドラムはけっこう頭痛に響く。ラッパやサックスもしんどい。ピアノトリオも饒舌なやつは今はちょっと遠慮したい気分だ。かといってただ緩いのじゃつまらない。


 あれやこれや試していて、ぴったりなのを見つけた。ピアノレス、ドラムレス。語り過ぎず、走り過ぎず、かといって黙り込みもせず。ベテラン3人の肩の力が抜けた至芸がじっくり聴ける。ミルト・ジャクソンのヴァイブが上がったり下がったり、柔らかい指圧みたいに鼓膜を刺激する。副作用もなさそうだ。
 これを聴きながら、ふとんに潜って寝るとしよう。
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2007年12月19日

パイクス・ピーク/デイヴ・パイク


パイクス・ピーク
PIKE'S PEAK

デイヴ・パイク(vib)
ビル・エバンス(p)
ハービー・ルイス(p)
ウォルター・パーキンス(ds)

1962年録音



 この世界で、ジャズという音楽に与えられた場所はそれほど広いわけではない。さんま御殿にマイルス・デイビスが出てたとか、素人のど自慢の審査員にサラ・ヴォーンが混じっていて一曲歌ったとか、そういうことは滅多に起きない。未知のミュージシャンに興味を持っても、よほどのビックネームでなければTUTAYAには置いていないので、一か八か身銭を切って、アルバムを買ってみるしかない。
 苦労する分、当たると嬉しい。


 ぼくはヴァイブは大好きだが、デイヴ・パイクという名前は聞き覚えがなかったので、ちょっと躊躇した。が、思いがけずビル・エバンスが参加していることを知って、むしろそっちが気になって、取り寄せたのである。


 が、このアルバム、よい意味で期待を裏切った。
 ビル・エバンスはよい子にしていてそんなに目立たない。デイヴ・パイクは拾いもの(失礼)だった。ヴァイブ好きなら聴いてみて損はない。ミルト・ジャクソンとはちょっと風味の違うドライブ感と翳りがあって、なかなかに気色よい。特に最後の「Wild is the wind」は音世界に香りみたいなものがあって、もっとこっちの方面を聴いてみたいと思わせる。

 ただし、演奏しながら唸ったり、鼻歌歌ったりするのは誰がなんと言ってもイヤだ。これがなけりゃあなあ。
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2007年09月29日

オパス・デ・ジャズ/ミルト・ジャクソン


オパス・デ・ジャズ
Opus de Jazz

ミルト・ジャクソン(vib)
フランク・ウェス(fl)
ハンク・ジョーンズ(p)
エディ・ジョーンズ(b)
ケニー・クラーク(ds)

1955年録音


 ぼくはこのアルバムを聴くたびに、やっぱりメシは炊きたてご飯に鰺のひらき、みそ汁にたくあんだよなあ、と思う。見かけがずばぬけて印象的なわけではなく、とりわけ変わった味がするわけでもないけれど、いや、だからこそ、スタンダードは何度食っても飽きないし、何度食っても旨いのだ。

 曲目がスタンダード集、というわけではない。ヴァイブとフルートがリードするコンボがありがち、というわけでもない。そうではなくて、ほら、ジャズそのものでしょう? この香り、この雰囲気。

 ヴァイブとフルートの柔らかいハーモニーがとっても気色よいが、それを後ろでしっかりと支えているような支えていないような、ハンク・ジョーンズのなんだかすっとぼけたピアノが大好きだ。
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